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COLUMN医師監修コラム

他院修正の費用はなぜ高い?料金の仕組みと適正価格の見極め方

2025.12.15

「思い描いていた結果と違う」「鏡を見るたびに、手術したことを後悔してしまう」――。勇気を出して美容整形に踏み切ったにもかかわらず、望まない結果に直面し、深く悩んでいる方は少なくありません。その最後の希望となるのが「他院修正」です。しかし、いざ修正手術について情報収集を始めると、多くの人がその提示額に愕然とします。初回の手術費用の1.5倍、2倍、部位によっては5倍以上にもなる高額な費用。なぜ、やり直すだけなのに、これほどまでに高額になるのでしょうか。

私自身、長年Webマーケティングの専門家として美容医療の分野をリサーチしてきましたが、この価格設定には明確で、そして避けて通れない「医学的・技術的な理由」が存在します。他院修正は、決して「簡単なやり直し」ではありません。それは、初回の手術とは比較にならないほど複雑で、「一度失敗した建築物を、基礎から解体せずに、より強固で美しく建て直す」ような、最高難易度の医療行為なのです。

ここでは、他院修正の費用がなぜ高額になるのか、その料金の裏側に隠された仕組み、そして「今度こそ失敗しない」ために、私たちが「適正価格」をどう見極めればよいのかを、具体的かつ徹底的に解説していきます。これは、あなたが再び自信を取り戻すための、最も重要な知識です。

1. 他院修正の費用が高額になる理由

他院修正の費用が高額になる最大の理由は、それが「初回手術」とは全く異なる、未知のリスクと予測不可能なコストを内包した「二次手術」であるという点に尽きます。

初回手術は、いわば「まっさらな土地に、設計図通りに新しい家を建てる」作業です。解剖学的な構造は正常で、組織は柔らかく、計画通りに手術が進むことが期待されます。一方、他院修正は、「一度、別の業者が建てたものの、傾いたり欠陥が出たりした家を、住人が住んだままリノベーションする」作業に例えられます。しかも、壁の中には(前回の医師が残した)予期せぬ障害物が埋まっており、図面も残っていません。

この「欠陥住宅のリノベーション」には、新築にはない以下のようなコストとリスクが必然的に発生します。

  • 高度な技術料:初回手術の医師にはない、特殊な診断力と応用技術を持つ医師(=匠)が必要。
  • 複雑な手技:内部にこびりついた「癒着」や「瘢痕」という名の接着剤を剥がす、時間のかかる作業。
  • 手術時間の延長:予期せぬ事態(癒着、神経の走行異常など)に対応するため、手術時間が初回の2〜3倍になる。
  • 追加の材料費:前回の異物(プロテーゼなど)の除去、そして新たな自家組織(軟骨など)の採取・移植が必要。
  • 高まるリスク管理:一度失敗した組織は血流が悪く、感染リスクや治癒不全のリスクが初回より格段に高い。

これら全てが、料金に「上乗せ」される形で反映されます。初回手術と他院修正の根本的な違いを、まずは以下の表で明確に比較してみてください。

比較項目 初回手術 (Primary Surgery) 他院修正 (Secondary Surgery)
組織の状態 正常(Virgin)。解剖学的構造が明確で柔らかい。血流も豊富。 異常。瘢痕・癒着により組織が硬く、層が不明瞭。血流が乏しい。
医師の役割 建築家(0から1を作る) 解体・修復家(-1を+1にする)
手術計画 計画通りに進めやすい。 予測不可能な要素が多い。(「開けてみないと分からない」)
リスク 標準的な手術リスク。 神経・血管損傷、感染、皮膚壊死、「改善しない」リスクが初回より高い。
費用 標準価格(新築費用) 高額(リノベーション費用 + 障害物撤去費用 + リスク料)

関連記事:他院修正を乗り越えるメンタルケア|手術の不安と向き合う方法

2. 初回手術より高い技術力が求められる

他院修正の費用を構成する要素のうち、最も大きな割合を占めるのが「医師の技術料」です。他院修正を担当できる医師は、美容外科医の中でも一握りの、極めて高度な「問題解決能力」を備えたスペシャリストでなければなりません。

それは、初回手術の医師が「0から1を作る」という創造的な作業をするのに対し、修正医師は「マイナス(あるいは意図しない1)から、理想の1に作り変える」という、法医学的とも言える分析と、修復作業を求められるからです。

具体的には、初回手術の医師には求められない、以下の3つの特殊な能力が不可欠です。

  1. 正確無比な「診断力(Forensic Analysis)」
    まず、患者さんの目の前にある「望まない結果」が、なぜ起きたのかを正確に診断しなければなりません。「デザインが悪かったのか?」「手技が雑だったのか?」「挿入したプロテーゼのサイズが合っていないのか?」「体質(瘢痕が硬くなりやすい等)の問題か?」。CTや3Dシミュレーション、そして何より医師の「触診」という経験値を通じて、皮膚の下で何が起こっているのかを「透視」し、失敗の根本原因を特定する能力。これがなければ、修正手術のスタートラインにも立てません。
  2. 混沌とした解剖への「知識と経験」
    一度メスが入った組織は、もはや医学書通りの解剖ではありません。本来あるべき神経や血管の位置がずれていたり、瘢痕組織の分厚い壁に阻まれていたりします。そうした「カオス」な状態でも、正常な組織と瘢痕組織を見分け、「この層(Plane)は安全だ」というルートを確実に見つけ出し、神経や血管を傷つけずに進む能力。これは、膨大な修正手術の経験によってのみ培われる、「職人の勘」に近い領域です。
  3. 瞬時の「臨機応変な対応力(応用力)」
    修正手術は「開けてみないと分からない」ことの連続です。術前の計画では「Aプラン」で進める予定でも、いざ開けてみたら癒着が想像以上にひどく、Aプランが使えない。その瞬間に、医師は「Bプラン(別の部位から組織を移植する)」「Cプラン(あえて今回は剥離だけにとどめ、2回に分ける)」といった次善策を、瞬時に判断し、実行に移さなければなりません。この「引き出しの多さ」と「冷静な判断力」こそが、修正手術の成否を分けます。

これらの高度な技術力は、一朝一夕では身につきません。何百、何千という他院修正の症例をこなし、数々の修羅場を乗り越えてきた医師だけが持つ「無形の価値」です。その医師の技術に対する対価が「高額な技術料」として費用に大きく反映されるのは、医療の専門性を考えれば、むしろ当然のことと言えるでしょう。

3. 癒着の剥離など、複雑な手技が必要

他院修正の費用と難易度、そして手術時間を爆発的に増加させる最大の物理的要因が、「瘢痕組織(はんこんそしき)」「癒着(ゆちゃく)」の存在です。

私たちの体は、メスで切開されるなどのダメージを受けると、その傷を必死に治そうとして、コラーゲン線維を大量に分泌します。これが「瘢痕組織」、一般にいう「キズアト」です。そして、本来は別々の層であり、滑らかに動くべき皮膚と筋肉、あるいはプロテーゼと組織などが、この瘢痕組織によって「接着剤」でくっついてしまうこと。これが「癒着」です。

この「瘢痕・癒着組織」は、正常な組織とは全く異なる、厄介な性質を持っています。

  • 非常に硬い:正常な組織が「生肉」だとすれば、瘢痕組織は「ビーフジャーキー」や「ゴム」、ひどい場合は「コンクリート」のように硬化します。
  • 血流が乏しい:硬い組織には新しい血管が作られにくいため、血流が非常に悪いです。そのため、一度剥がしても治りが遅く、感染のリスクが格段に高まります。
  • 層が不明瞭:本来あるべき組織の境界線(レイヤー)が、この接着剤によって完全に消えています。どこまでが皮膚で、どこからが筋肉か、見分けがつかない状態になっています。

修正手術のプロセスは、まずこの「接着剤」を、正常な組織(神経や血管)を傷つけないように、ミリ単位で丁寧に剥がしていく「剥離(はくり)」という作業から始まります。これは、例えるなら「一度水に濡れてくっついてしまった、古い切手」を、破らずに剥がすような、途方もなく繊細で時間のかかる作業です。

手技 初回手術 修正手術
癒着・瘢痕 ほぼ存在しない。 多数存在し、手術の主たる障害となる。
主な作業工程 1. デザイン
2. 組織の処理(切開・挿入など)
3. 縫合
1. 癒着・瘢痕の剥離(最重要・最難関)
2. 異物・瘢痕組織の除去
3. 組織の再構築(移植など)
4. デザインの修正と縫合
手術時間(例) 60分 180分〜300分以上(剥離の難易度による)
技術的難易度 標準。計画通りに進めやすい。 極めて高い。神経・血管損傷リスクと常に隣り合わせ。

例えば、二重の幅を狭くする修正手術。初回手術で広く作られたラインの癒着を全て剥がし、余分な瘢痕組織を取り除き、さらに(多くの場合)皮膚の不足を補うために脂肪を移植し、新しい位置で癒着が起きないよう細心の注意を払って、低い位置にラインを再固定する…。

これだけの手間をかけても、硬い瘢痕組織が再び癒着しようとする「後戻り」のリスクとも戦わなければなりません。手術時間が初回の2倍、3倍とかかるのは当たり前であり、その分の麻酔代、人件費、そして何より医師の集中力と技術料が、そのまま費用として加算されるのです。

4. 部位別の他院修正の費用相場

他院修正の費用は、当然ながら部位や修正の難易度、そして「何回目の修正か」によって、青天井に変動します。ここでは、具体的な金額を提示することは差し控えますが、一般的に「初回手術の何倍程度か」という相対的な目安と、なぜその部位が高額になるのかの特徴を解説します。

部位 主な修正内容 費用の目安(初回比) 難易度・高額になる理由
目(二重・目頭) ・二重幅の変更(特に「狭くする」)
・左右差の調整
・食い込み、ぷっくり感(ハム目)の修正
・目頭切開の修正(蒙古襞の再建)
約1.5倍〜3倍 皮膚が0.5mmと人体で最も薄く、数ミリのズレが大きな差になる。特に「幅を狭くする」修正や「目頭の再建」は、癒着の剥離と組織移植を伴うため、極めて難易度が高い。
鼻(隆鼻・鼻尖) ・プロテーゼの入れ替え、除去
・鼻先の形状修正(曲がり、拘縮)
・感染、皮膚の菲薄化(薄くなる)対応
自家組織(軟骨)による再建
約2倍〜5倍以上 修正手術の中で最も高額になりやすい部位。3Dの複雑な構造である上、修正を繰り返すと皮膚の余裕(伸び)がなくなる。初回で使った耳の軟骨が尽き、肋軟骨(肋骨)の採取という別の大手術が追加で必要になるケースが多いため。
豊胸(インプラント) ・インプラント(バッグ)の入れ替え、除去
被膜拘縮(カプセル拘縮)の解除・除去
・位置異常(ズレ)の修正
約1.5倍〜3倍 全身麻酔下で、硬くなった被膜(インプラントを覆う瘢痕の膜)を剥離・除去する作業が必須。出血量も多くなりがちで、手術時間が長時間に及ぶため。
脂肪吸引 ・吸引後の凹凸(デコボコ)の修正
・取り残し、左右差の修正
・皮膚のたるみ、癒着の修正
約2倍〜4倍 技術的に最も困難な修正の一つ。「単に取り足す」ことはできず、硬い瘢痕組織を剥離し、凹んだ部分に脂肪を再注入(Lipo-filling)する。正常な脂肪層を見極めるのが極めて難しく、対応できる医師が非常に限られる。

ご覧の通り、どの部位も「癒着・瘢痕の剥離」という基本作業に加えて、「組織の再建(移植)」や「異物の除去」といった、複数の手術を一度に組み合わせて行う必要があります。鼻の修正で肋軟骨が必要になれば、「鼻の手術」と「胸の手術」の2つ分の費用がかかる、ということです。これが、費用が跳ね上がる直接的な理由です。

関連記事はこちら:美容整形の他院修正|後悔しないためのクリニック選びと名医の見つけ方

 

5. クリニックによって料金が違うのはなぜか

同じ「鼻の他院修正(肋軟骨使用)」でも、Aクリニックでは150万円、Bクリニックでは250万円と、提示額に100万円もの差がつくことがあります。この大きな価格差は、一体どこから生まれるのでしょうか。

それは、「医師の技術料(ブランド料)」「クリニックの安全体制(コスト)」という、大きく2つの要因によります。

価格差を生む要因 詳細な内訳と視点
1. 医師の技術料(経験・名声) これが最大の価格差要因です。「他院修正の最後の砦」として知られ、全国から患者が殺到するような、高名なスペシャリスト医師の「技術料(指名料)」は、当然ながら高額に設定されます。それは、その医師にしか治せないという「希少価値」への対価です。
2. 安全管理・麻酔体制 高額な修正手術は、ほぼ「全身麻酔」で行われます。その際、「麻酔科専門医」が手術に専従で立ち会っているか、万が一の事態に備えた高度な生体モニターや救命設備(人工呼吸器、除細動器など)が完備されているか。この「安全への投資」は、そのままコストとして料金に反映されます。
3. 手術時間と人件費 「あなたの修正には5時間かかります」と判断した場合、その5時間分の手術室、看護師、麻酔科医、そして執刀医の時間を確保(ブロック)する必要があります。難易度が高く、時間がかかると判断されるほど、料金は高くなります。
4. アフターケアと保証制度 術後の検診は何度まで無料か。万が一、修正手術後にも問題が生じた場合(感染、軽微な左右差など)、どこまで無料で「再修正」に応じてくれるのか。手厚い保証制度は、その分の「保険料」が料金に含まれていると考えることができます。
5. クリニックの設備と立地 術前の診断に、高解像度のCTや3Dシミュレーター(ベクトラなど)を導入しているか。また、一等地の豪華な内装や、大規模な広告宣伝費も、巡り巡って手術費用に影響します。(ただし、これが技術と比例するとは限りません)

安いクリニックは、これらのどこかのコストを削っている可能性があります。例えば、「麻酔科医が専従ではなく、執刀医が麻酔管理を兼任している」「術後の保証が一切ない」「修正経験の浅い医師が担当する」などです。もちろん、高ければ必ずしも良いとは断言できませんが、極端に安い他院修正には、価格が安いなりの「理由」が必ずあると疑ってかかるべきです。

6. 見積もりの内訳と追加料金の確認

複数のクリニックでカウンセリングを受けると、いくつかの「見積書」が手元に集まるでしょう。この時、A院「総額150万円」、B院「総額120万円」という「総額」だけを見て比較するのは、最も危険な過ちです。必ず「見積もりの内訳」を、穴が開くほど詳細に確認してください。

「120万円」と安く見えたB院が、実は「手術料」しか書かれておらず、「麻酔代」「検査代」「材料費」が全て別途で、最終的には180万円になる、といったケースは日常茶飯事だからです。

確認すべき必須項目は以下の通りです。

  • 手術料(基本技術料):「他院修正(〇〇法)」といった、メインの技術料。
  • 麻酔代:局所麻酔か、静脈麻酔か、全身麻酔か。麻酔の種類によって数万〜数十万円の差が出ます。麻酔科医の立会料が含まれているか。
  • 検査料:術前の血液検査や、CT撮影、3Dシミュレーションの費用。これが「無料」なのか「実費」なのか。
  • 薬剤料・処方料:術後に処方される抗生剤や痛み止め、点滴の費用。
  • 材料費:プロテーゼの入れ替えや、肋軟骨など自家組織採取の手技料・材料費。
  • 固定料:鼻のギプスや、フェイスバンド、豊胸後の圧迫下着などの費用。
  • 術後検診料(抜糸代):「術後の〇ヶ月検診まで無料」など。これが「毎回別途」になっていないか、必ず確認しましょう。

そして、見積もりをもらった際に、カウンセラーや医師に必ず投げかけるべき「魔法の質問」があります。それは、

「この見積もりは、本日支払うべき全ての費用(オールインクルーシブ)が記載されていますか?」
「もし、手術中に癒着がひどく、予定より手術時間が2時間延長した場合、追加料金は発生しますか?」
「もし、術後に感染や血腫(血がたまる)が起き、追加の処置や投薬が必要になった場合、その費用は(保証の範囲内として)無料ですか?」

これらの質問に対し、明確に「はい、この見積もり以外、一切かかりません」「全て保証の範囲内です」と明言してくれるクリニックは、価格設定に誠実であり、自らの技術に自信を持っている可能性が高いと判断できます。逆に、「〜の場合は、別途かかります」といった曖昧な返答が多い場合は、注意が必要です。

参考ページ:鼻の他院修正|プロテーゼ・鼻尖形成の失敗を修正し、理想の鼻へ

7. モニター募集やキャンペーンはあるか

高額な修正費用。少しでも安く抑えたい、そのために「モニター募集」や「キャンペーン」を活用したいと考えるのは、自然な心理です。しかし、こと「他院修正」において、この選択は非常に慎重になるべきです。

モニター募集:
これは、手術前後の写真や動画を、クリニックの広告素材(SNS、ウェブサイト)として提供する代わりに、料金の割引(30%〜50%オフ、場合によっては全額無料)を受ける制度です。

  • メリット:
    • 腕の良い著名な医師が、自身の「症例集」を充実させる目的(特に珍しい症例や、難易度の高い修正が成功した場合)で募集している場合、質の高い手術を割安で受けられる「可能性」があります。
  • デメリット:
    • 顔や体を(場合によっては目隠しなしで)不特定多数に公開されることへの精神的な覚悟が必要です。一度ネットに出た写真は、半永久的に残り続けます。
    • 修正経験の浅い医師が、「練習台」として、あるいは「集客のための目玉」として、安易に募集しているケースが非常に多いのが現実です。あなたは「最後の砦」を求めているのに、相手は「最初の経験」を求めている、という最悪のミスマッチが起こり得ます。

キャンペーン:
「今月限定!他院修正30%OFF」「鼻の修正、一律100万円」といった、初回手術の集客でよく使われる手法です。

原則として、他院修正で安易なキャンペーンを打ち出しているクリニックは、私は推奨しません。

なぜなら、他院修正は一人ひとり状態が全く違う、完全オーダーメイドの医療です。癒着の程度も、必要な手技も、かかる時間も異なるのに、「一律料金」や「割引」を設定すること自体が、医学的に不誠実だからです。「あなたの状態がどれだけ複雑でも、一律料金(=短い手術時間)で終わらせます」と宣言しているようなものです。

本物の修正専門医は、自らの技術を安売りする必要はありません。割引をしなくても、その医師を求めて患者が集まるからです。「他院修正」という、あなたの人生を左右する重大な手術を、「キャンペーン」という言葉の軽さで選ぶべきではないと、私は強く考えます。

参考:豊胸の他院修正|シリコンバッグ・脂肪注入のトラブルを解決

8. 費用だけで選ぶ危険性

ここまで読み進めていただければ、他院修正を「費用(安さ)」だけで選ぶことが、どれほど危険で、取り返しのつかない事態を招きかねないか、お分かりいただけるかと思います。

あなたは、初回手術の失敗で、すでに心と体に大きな傷を負っています。次の「2回目の修正」で、絶対に失敗は許されません。これが「最後の修正」でなければならないのです。

もし、この土壇場で、再び費用だけを基準に、技術や経験が未熟な医師、あるいは安全管理が不十分な(=安い)クリニックを選んでしまったら、どうなるでしょうか。

それは、「3回目の修正(修正の修正)」への、最悪の入り口です。

修正手術は、回数を重ねるごとに、生地獄のようになります。

  • 組織はさらに硬く、血流はさらに悪化します。
  • 皮膚の余裕(伸展性)がなくなり、引き攣れ(ひきつれ)が起きます。
  • 使える材料(耳の軟骨、お腹の脂肪)が尽きていきます。
  • 費用は、3回目、4回目と、さらに天文学的に跳ね上がります。

そして、どんな名医でも「これ以上は組織が持たない」「あなたの皮膚ではもう治せない」という、「修復不可能(Unrepairable)」の宣告を受ける日が来ます。これが、費用だけで選んだ先にある、最も恐ろしい結末です。

選択基準 価格重視(安さ) 品質重視(技術・安全性)
目先の費用(例) 安い(例:鼻の修正 70万円) 高い(例:鼻の修正 200万円)
医師の質 修正経験が浅い、または不明。「キャンペーン」で集客。 他院修正のスペシャリスト。(学会発表、専門医資格など)
結果 改善しない、あるいは悪化するリスク。 問題が解決し、これが最後の修正になる可能性が高い。
将来的な総額 70万円 + 「3回目の修正」(300万円)= 総額370万円 + 修復困難な体 200万円で「悩み」が終了し、人生を取り戻す。

安い修正手術は、「安物買いの銭失い」ですらありません。それは、あなたの未来の健康と、心の平穏を「失う」ことと引き換えの、悪魔的な取引になりかねないのです。他院修正において「安かろう悪かろう」は、ほぼ真実です。

9. 他院修正の費用対効果を考える

高額な他院修正費用。その「費用対効果(コストパフォーマンス)」とは、一体何でしょうか。

通常の買い物であれば、「費用対効果(コスパ)が良い」とは、「できるだけ安く、そこそこの品質のものを手に入れる」ことかもしれません。しかし、他院修正における「最高の費用対効果」とは、ただ一つ。「いかに安く治すか」では断じてなく、「いかに確実に、そしてこれが最後の修正として、悩みを終わらせるか」です。

200万円、300万円という金額は、大金です。高級車が買え、世界一周旅行にも行けるでしょう。しかし、もしその投資によって、あなたが、

  • 毎朝、鏡を見るたびに感じていた絶望から解放される
  • 人の視線を恐れず、自信を持って、マスクを外して笑えるようになる
  • 「あの時、失敗した」という、重い過去のトラウマをようやく乗り越えられる
  • 残りの数十年の人生を、コンプレックスではなく、前向きな気持ちで歩んでいける

としたら、その投資対効果は、車や旅行とは比較にならないほど、絶大で、一生涯続くものであると、私は確信しています。

他院修正における「価値」とは、手術そのものではなく、「失われた日常と、自信に満ちた未来を取り戻す」ことです。そのために支払う費用は、「コスト(損失)」ではなく、あなたの人生を好転させるための、最も重要な「インベストメント(投資)」なのです。

1回で終わらせることができれば、それが結果的に最も「費用対効果が高い(=安上がりな)」選択だったと、後できっと気づくはずです。

10. 適正価格で質の高い修正手術を受けるには

最後に、高額ではあるものの「適正な価格」で、質の高い修正手術を受け、今度こそその長いトンネルから抜け出すために、あなたが取るべき具体的な行動をまとめます。

「適正価格」とは、決して「最安値」のことではありません。その医師の持つ最高レベルの技術、クリニックが担保する万全の安全体制、そして術後の手厚いアフターケア、その全てを含んだ上で、「あなたが『この医師になら、この金額を託せる』と心から納得できる、信頼のおける価格」のことです。

その「適正価格」を提示してくれる「本物の医師」に出会うための、具体的なステップは以下の通りです。

  1. 意識改革:「ショッピング」から「医療」へ
    まず、「安くて良いクリニックを”探す”」というショッピング感覚を捨ててください。「自分の体を治せる、”専門医”を”選定する”」という、医療としての意識改革が必要です。
  2. 徹底的なリサーチ:「医師」個人を探す
    「クリニック」の知名度や内装の豪華さで選んではいけません。「医師」個人を指名して探します。日本美容外科学会(JSAPS)や日本形成外科学会(JSPRS)の専門医であることは最低条件。その上で、「あなたの悩みの部位(例:鼻)」の「他院修正」を専門的に扱い、その症例数や、場合によっては学会発表(Instagramではなく)の実績がある医師を、徹底的にリサーチします。
  3. 最低3件の「スペシャリスト」のカウンセリングを受ける
    必ず、複数の医師の意見を聞いてください。その際、安さを売りにしているクリニックを比較対象に入れる必要はありません。あなたが「この人かもしれない」とリサーチで厳選した、スペシャリスト3名のカウンセリング予約を取ります。
  4. カウンセリングは「診断」と「値踏み」の場
    カウンセリングは「お願いします」と祈りに行く場ではありません。あなたが医師の「診断能力」と「誠実さ」を”値踏み”する場です。以下のチェックリストを胸に臨んでください。
他院修正の「本物の医師」見極めチェックリスト
1. 診断に時間をかけるか?
(CTや3Dシミュレーターを使い、現状(癒着、異物の位置)を論理的に分析し、初回手術の「失敗の原因」を明確に言語化できるか)
2.「できないこと」を正直に言うか?
(「100%治る」「必ず理想通りになる」と安請け合いせず、「あなたの組織では、ここまでは改善できるが、ここからは限界だ」と修正の限界点やリスクを正直に話してくれるか)
3. 修正方法が具体的か?
(なぜ癒着が起きているのか、どこから組織を移植する必要があるのか、なぜそのデザインを勧めるのか、医学的根拠に基づいて論理的に説明できるか)
4. 症例写真(特に難症例)が豊富か?
(自分と似たような、難しい修正症例を数多く手がけ、その結果(成功例も限界例も)を包み隠さず見せてくれるか)
5. 見積もりが明瞭か?
(「6. 見積もりの内訳」で解説した通り、「これ以上はかからない」という、追加料金のない誠実な見積もりを提示してくれるか)

これらの項目を全てクリアし、「この医師になら、自分の顔(体)を、そしてこの高額な費用を任せられる」と心から納得できた時。その医師が提示した価格こそが、あなたにとっての「適正価格」です。

他院修正は、高額な費用と、それ以上に大きな勇気が必要な、人生の岐路に立つ決断です。その決断を、今度こそ「最後の決断」にするために、目先の費用に惑わされることなく、「本物の技術」と「確かな安全性」という、最も価値あるものに、あなたの未来を投資してください。

こちらも読まれています:脂肪吸引の他院修正|凸凹・たるみ・取り残しを滑らかに修正

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。

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