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COLUMN医師監修コラム

脂肪注入豊胸で叶える自然な美バスト|定着率とメリット・デメリット

2025.09.04

「気になる部分の脂肪をなくして、その脂肪で胸を大きくできたら…」。そんな多くの女性が一度は思い描く夢を、医学的アプローチで実現するのが「脂肪注入豊胸」です。自身の体から採取した脂肪をバストに注入するこの施術は、痩身とバストアップを同時に叶えるだけでなく、究極の自然さを追求できる方法として、近年絶大な人気を誇っています。この記事では、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)に基づき、脂肪注入豊胸の全貌を徹底解説。成功の鍵を握る「脂肪の定着率」を高める最新技術から、メリット・デメリット、そして知っておくべきリスクまで、理想の美バストを手に入れるために不可欠な情報を網羅的にお届けします。

1. 脂肪注入豊胸とは?痩身とバストアップを同時に

脂肪注入豊胸とは、その名の通り、ご自身の身体の余分な皮下脂肪を脂肪吸引によって採取し、その脂肪をバストに注入してボリュームアップや形の改善を図る豊胸術です。正式には「自家脂肪移植術(じかしぼういしょくじゅつ)」と呼ばれ、不要なものを有効活用するという、非常に合理的で身体への親和性が高い施術と言えます。 この施術は、大きく分けて3つのステップで構成されます。
  1. 脂肪の採取(脂肪吸引): 太もも、お腹、腰回りなど、脂肪が気になる部位(ドナーサイト)から、専用の機器を用いて脂肪細胞を丁寧に吸引します。この時点で、気になる部分の部分痩せ(痩身効果)が実現します。
  2. 脂肪の加工・濃縮: 採取した脂肪には、麻酔液や血液、老化して傷ついた脂肪細胞などの不純物が混じっています。これらを遠心分離器などにかけて取り除き、バストに注入するための健全で質の高い脂肪細胞だけを濃縮・精製します。この工程の質が、後の定着率を大きく左右します。
  3. 脂肪の注入: 精製した脂肪を、乳腺下や大胸筋下、皮下など、バストの複数の層に、しこりにならないよう少量ずつ丁寧に注入していきます。これにより、バストのサイズアップと同時に、デコルテの削げ感を改善したり、谷間を形成したりと、細やかなデザインが可能になります。
つまり、脂肪注入豊胸は、単なる豊胸術ではなく、「脂肪吸引によるボディコントゥアリング(輪郭形成)」と「自家組織によるバストアップ」という、2つの美容医療を同時に行う複合手術なのです。コンプレックスだった部分の脂肪がなくなり、それが理想のバストに生まれ変わるという、一石二鳥の効果が得られる点が、この施術の最大の魅力と言えるでしょう。

2. 自分の脂肪だから安心、自然な見た目と感触

脂肪注入豊胸が多くの女性に選ばれる最大の理由は、その圧倒的な「自然さ」と「安全性」にあります。人工物であるシリコンバッグインプラントとは対極にある、自己組織ならではのメリットは計り知れません。 【究極の自然さを実現する理由】
  • 見た目の自然さ: 注入された脂肪は、もともと身体の一部であるため、バスト全体の組織と一体化します。そのため、身体の動きに合わせて、本物のバストと全く同じように自然に揺れ、横になれば自然に流れます。シリコンバッグのように、不自然な「お椀型」のシルエットになることはありません。デコルテからバストへの立ち上がりもなだらかで、触れない限り、専門家でも見分けるのは困難なほど自然な仕上がりです。
  • 感触(触り心地)の自然さ: 仕上がったバストの感触は、非常に柔らかく、温かみがあり、元々の自分のバストと何ら変わりありません。パートナーに触れられた際にも、豊胸したことを気づかれる心配はほとんどないでしょう。これは、自己組織だからこそ実現できる、最大のメリットの一つです。
【自己組織ならではの安全性】
  • アレルギー・拒絶反応のリスクがない: 自分自身の細胞を移植するため、異物反応やアレルギー反応、感染症のリスクが極めて低いのが特徴です。シリコンバッグでごく稀に報告される、ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)のような、人工物特有の重篤な合併症の心配もありません。
  • 身体への親和性: 注入された脂肪細胞が自身の組織として「生着」すれば、それは半永久的にあなたの身体の一部となります。シリコンバッグのように、将来的な破損や劣化による入れ替え手術の必要性を心配する必要がありません。(ただし、加齢や体重の増減による変化は、元々のバストと同様に起こります。)
痩せたい部分がスリムになり、その脂肪で、誰にも気づかれないほど自然で安全なバストが手に入る。この合理性と安心感が、脂肪注入豊胸が持つ、他の豊胸術にはない本質的な価値なのです。

3. 脂肪の定着率を高めるためのポイント

脂肪注入豊胸の成否を分ける最も重要な要素、それが「脂肪の定着率」です。定着率とは、注入した脂肪のうち、どれだけの量が血液供給を受けて生き残り、自身の組織としてその場に定着するかの割合を指します。この定着率が低いと、期待したほどのサイズアップ効果が得られなかったり、吸収される過程でしこりのリスクが高まったりします。 かつての脂肪注入豊胸は、この定着率が30%〜50%程度と低く、結果が不安定な施術でした。しかし、近年の技術革新により、定着率は70%〜80%以上にまで飛躍的に向上しています。そのための重要なポイントは、「採取・加工・注入」の全プロセスに隠されています。
  1. 脂肪細胞を傷つけない「採取技術」
  • ジェントルな吸引: 脂肪細胞は非常にデリケートな組織です。採取の段階で、脂肪細胞にダメージを与えないよう、低圧で、かつ丁寧に吸引することが重要です。シリンジ(注射器)を用いて手動で優しく吸引する方法や、特殊な機器を用いて組織へのダメージを最小限に抑える方法が選択されます。
  1. 不純物を取り除く「加工・濃縮技術」
これが定着率を左右する最も重要なプロセスです。採取した脂肪には、生きた脂肪細胞以外に、死んだ細胞や老化細胞、血液、麻酔液、そして細胞から染み出た油(トリグリセリド)など、定着を妨げる不純物が大量に含まれています。
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法: 現在の主流となっているのが、このCRFと呼ばれる加工技術です。採取した脂肪を特殊なフィルターと遠心分離にかけることで、不純物を徹底的に除去し、健全で質の高い脂肪細胞と、脂肪の定着を助けるといわれる幹細胞を濃縮します。このプロセスにより、注入する脂肪の質が格段に向上し、高い定着率としこりリスクの低減を両立します。
  1. 脂肪細胞を生かすための「注入技術」
  • 少量多層注入(マイクロドロップレット法): 注入された脂肪細胞が生き残るためには、周囲の組織から酸素や栄養を受け取るための新しい血管(血行)を獲得する必要があります。一度に大量の脂肪を塊として注入してしまうと、中心部の脂肪細胞にまで血行が行き届かず、細胞は壊死してしまいます。これを防ぐため、極細の注入針を用い、米粒ほどの大きさで、しこりにならないよう少量ずつ、皮膚、乳腺下、大胸筋下など複数の層に、広範囲にわたって分散して注入します。この手間を惜しまない丁寧な注入が、一つ一つの脂肪細胞に生き残るチャンスを与え、定着率を最大化するのです。
これらの技術は、いずれも執刀医の経験と技術力、そしてクリニックの設備に大きく依存します。高い定着率を謳うクリニックが、どのような技術を導入しているのかを具体的に確認することが、成功への鍵となります。

4. どこから脂肪吸引する?脂肪の質と量

脂肪注入豊胸を成功させるためには、バストに注入するための「質」と「量」を兼ね備えた脂肪を、身体のどこかから確保する必要があります。脂肪を採取する部位(ドナーサイト)の選択は、患者様の体型や脂肪のつき方、そしてボディ全体の仕上がりの希望を考慮して、医師と相談の上で決定されます。 【代表的なドナーサイトとその特徴】
  • 太もも(特に内側・外側):
    • 特徴: 最も人気が高く、第一選択となることが多い部位です。太ももには、比較的広範囲にわたって、柔らかく質の良い脂肪が豊富に蓄積されています。特に、ダイエットでも落ちにくい内ももや外側の張り出し(サドルバッグ)は、多くの女性が細くしたいと願う部位であり、脂肪吸引のメリットを大きく感じられます。
    • メリット: 採取できる脂肪量が多いため、十分なバストアップ効果が期待できます。また、太ももが細くなることで、脚長効果も得られ、ボディ全体のバランスが美しく整います。
  • お腹(腹部)・腰回り:
    • 特徴: 太ももと同様に、脂肪量が多く、質の良い脂肪が採取できる人気の部位です。下腹部のぽっこりや、ウエストのくびれを邪魔する腰回りの脂肪(ラブハンドル)を吸引することで、劇的なウエストシェイプ効果が得られます。
    • メリット: くびれを作りながら、その脂肪でバストアップができるという、メリハリのあるボディラインを目指す方に最適です。
  • お尻:
    • 特徴: お尻の下部(バナナロール)や、お尻全体から脂肪を採取することもあります。ヒップラインを整え、小尻効果を狙うことができます。
    • 注意点: お尻の丸みは女性らしいボディラインの重要な要素であるため、全体のボリュームを減らしすぎないよう、慎重なデザインが必要です。
【脂肪の「質」について】 一般的に、太ももやお尻周りの皮下脂肪は、比較的粒子が細かく、幹細胞も豊富に含まれているとされ、バストへの注入に適した「質の良い脂肪」と考えられています。一方、内臓に近い腹部の脂肪は、やや硬い傾向があるとも言われますが、最新の加工技術を用いれば、どの部位の脂肪でも質に大きな差はなく、良好な結果が得られるとされています。 【重要なこと】
  • 脂肪注入豊胸が可能かどうかは、バストアップに必要な量の脂肪が、身体のどこかから採取できるかにかかっています。極端に痩せている方や、アスリートのように体脂肪率が低い方は、残念ながらこの施術の適応とならない場合があります。
  • 最終的なドナーサイトの選択は、単に脂肪がある場所というだけでなく、吸引後のボディラインが最も美しくなるように、トータルでデザインする視点が不可欠です。

5. 施術の流れとダウンタイム(吸引部位・胸部)

脂肪注入豊胸は、脂肪吸引と脂肪注入という2つのプロセスを伴うため、ダウンタイムも「脂肪を吸引した部位」と「脂肪を注入した胸部」の両方に現れます。それぞれの部位の回復過程と注意点を理解しておくことが重要です。 【施術の流れ(概要)】
  1. カウンセリング・デザイン: 吸引部位と注入後のバストのデザインを決定します。
  2. 麻酔: 静脈麻酔や全身麻酔を使用し、完全に眠った状態で手術を行います。
  3. 脂肪吸引: 太ももやお腹などから、丁寧に脂肪を吸引します。
  4. 脂肪の加工: 採取した脂肪を遠心分離器などにかけて濃縮・精製します。
  5. 脂肪注入: 精製した脂肪を、バストに少量ずつ丁寧に注入していきます。
  6. 術後: 麻酔から覚醒後、状態が安定したら日帰り、あるいは一泊して退院します。
【ダウンタイム:脂肪吸引部位(太もも・お腹など)】 こちらは、通常の脂肪吸引と同様のダウンタイムが発生します。
  • 痛み: 術後2〜3日をピークとする、強い筋肉痛のような痛み。鎮痛剤でコントロールします。
  • 腫れ・内出血: 吸引部位に強い腫れと内出血が生じます。大きな腫れは2週間程度、内出血は2〜3週間で黄色くなって消えていきます。
  • 圧迫固定: 術後は、専用のガードルやサポーターで1ヶ月程度、しっかりと圧迫する必要があります。これは、腫れや痛みを軽減し、皮膚の収縮を促して美しい仕上がりを得るために非常に重要です。
  • 拘縮(こうしゅく): 術後3週間頃から、皮膚が硬く、つっぱる感じ(拘縮)が現れますが、3〜6ヶ月かけて徐々に柔らかくなっていきます。
【ダウンタイム:胸部(脂肪を注入した部位)】
  • 痛み: 脂肪吸引部位に比べると、痛みは比較的軽度です。筋肉痛のような鈍い痛みや、胸が張るような感覚が数日間続きます。
  • 腫れ・内出血: バスト全体が腫れ、大きくなります。術後1〜2週間が腫れのピークで、この時点では最終的な仕上がりよりもかなり大きく感じられます。内出血が出ることもありますが、1〜2週間で消えていきます。
  • 圧迫の禁止: こちらが最も重要なポイントです。注入した脂肪細胞に血流が新生されるのを妨げないよう、バストへの圧迫は厳禁です。ワイヤー入りのブラジャーや、締め付けの強いブラトップの着用は、最低1ヶ月は避ける必要があります。術後は、ゆったりとしたカップ付きのキャミソールや、専用のノンコンプレッションブラを着用します。
  • うつ伏せ寝の禁止: 同様の理由で、うつ伏せで寝ることも、脂肪の定着を妨げるため、1ヶ月程度は避ける必要があります。
2つの部位のケアを同時に行う必要がありますが、特に「吸引部は圧迫、注入部は非圧迫」という原則を徹底することが、美しい結果を得るための鍵となります。

6. 脂肪注入豊胸のメリットとおすすめな人

脂肪注入豊胸は、そのユニークな特性から、特定のお悩みや希望を持つ方にとって、他のどの豊胸術よりも優れた選択肢となり得ます。ここでは、改めてメリットを整理し、どのような方に特におすすめできるのかを解説します。 【脂肪注入豊胸のメリットまとめ】
  • 一石二鳥の効果: 気になる部分の部分痩せとバストアップを同時に実現できる。
  • 究極の自然さ: 見た目、感触、動きのすべてが本物のバストと見分けがつかないほど自然。
  • 高い安全性: 自己組織を用いるため、アレルギーや拒絶反応のリスクが極めて低い
  • 傷跡が目立たない: 脂肪吸引の傷も、注入の傷も、数ミリ程度の小さなもので、時間とともにほとんど分からなくなる。
  • 半永久的な効果: 生着した脂肪は、自身の組織として定着するため、効果は半永久的に持続する。
  • 異物への不安がない: シリコンバッグのように、体内に人工物を入れることへの抵抗感や、将来的な破損・入れ替えの心配がない。
【こんな方に脂肪注入豊胸はおすすめです】
  • 自然なバストアップを最優先したい方: 誰にも豊胸したと気づかれたくない、あくまで自然な範囲で、さりげなくサイズと形を整えたいと考えている方。パートナーに触れられた際の感触を重視する方。
  • 太ももやお腹など、気になる部分の脂肪も同時に解消したい方: ボディラインにメリハリをつけ、トータルで美しいプロポーションを目指したい方。
  • シリコンバッグなどの人工物を体内に入れることに抵抗がある方: 安全性や、将来的なメンテナンスのことを考えて、自己組織による豊胸を希望する方。
  • 1〜2カップ程度の自然なサイズアップを希望する方: 現状より少しふっくらさせたい、デコルテの削げ感を改善したい、授乳後のしぼんだバストにハリを取り戻したい、といったマイルド〜中等度のボリュームアップを希望する方。
  • 左右差の改善や、谷間の形成など、細かなデザインを希望する方: 脂肪注入は、注入する量や場所を微調整できるため、バストの左右差を整えたり、谷間部分にボリュームを足したりといった、細やかなデザイン調整を得意とします。
  • シリコンバッグ豊胸後の修正を希望する方: 挿入したシリコンバッグの輪郭が浮き出て不自然に見える(リップリング)場合に、その段差を埋めるために脂肪注入が用いられることもあります。
もし、あなたがこれらのいずれかに当てはまるのであれば、脂肪注入豊胸は、あなたの悩みを解決し、理想を叶えるための非常に有力な選択肢となるでしょう。

7. しこりや石灰化のリスクと回避策

脂肪注入豊胸を検討する上で、最も懸念されるリスクが「しこり」や「石灰化」の発生です。これらのリスクについて正しく理解し、それを回避するための最新技術がいかに重要かを知っておくことは、安心して施術を受けるために不可欠です。 【しこり・石灰化が起こるメカニズム】 しこりの原因は、注入された脂肪細胞が、血行を得られずに生き残れなかった結果、壊死(えし)してしまうことにあります。
  1. 脂肪の壊死: 注入された脂肪の塊が大きすぎると、中心部の細胞にまで栄養や酸素が行き渡らず、壊死してしまいます。
  2. オイルシストの形成: 壊死した脂肪細胞は、中身が溶けて油滴(オイル)となり、その周りを被膜が覆うことで「オイルシスト(油性のう胞)」と呼ばれる、しこりの一種を形成します。
  3. 石灰化: この壊死した脂肪組織やオイルシストの周りに、血液中のカルシウムが沈着して、硬い石のようになることがあります。これが「石灰化」です。
これらのしこりは、多くの場合、健康上の問題を引き起こすことはありませんが、触った時の違和感や、見た目の凹凸の原因になることがあります。 【乳がん検診への影響】 脂肪注入後に生じた石灰化は、乳がん検診のマンモグラフィ検査で、乳がんによる悪性の石灰化と見分けがつきにくい場合がある、と指摘されることがあります。しかし、経験豊富な放射線科医であれば、その形状の違い(脂肪注入によるものは輪郭が滑らかで大きい傾向がある)から、ほとんどの場合、鑑別は可能です。重要なのは、検診を受ける際に、必ず「脂肪注入豊胸を受けている」ことを申告することです。 【リスクを最小限にするための回避策】 幸いなことに、近年の技術革新により、これらのリスクは大幅に低減されています。その鍵は、これまで述べてきた「定着率を高めるためのポイント」そのものです。
  • 1. 高度な脂肪加工技術(コンデンスリッチファットなど): 死活細胞や不純物、そして壊死の原因となる油分(オイル)を、注入前に徹底的に除去することが、しこりリスクを減らす上で最も重要です。質の高い濃縮脂肪を用いることで、壊死する脂肪の絶対量を減らすことができます。
  • 2. 少量多層注入(マイクロドロップレット法)の徹底: 一度に大量の脂肪を注入せず、しこりにならないよう、広範囲に細かく分散させて注入する医師の技術が不可欠です。これにより、各脂肪細胞が血行を獲得する確率を高め、壊死を防ぎます。
  • 3. 過剰な注入を避ける: バストの皮膚の伸展度(キャパシティ)を超えて、パンパンになるまで脂肪を注入すると、注入された脂肪への圧迫が強くなり、血行が阻害され、壊死・しこりのリスクが高まります。適量を守ることが安全に繋がります。
しこりや石灰化のリスクはゼロではありません。しかし、これらの最新技術を導入し、原則に忠実な丁寧な手術を行う、信頼できるクリニックを選ぶことで、そのリスクは限りなくゼロに近づけることが可能なのです。

8. どのくらいサイズアップできる?限界と目安

脂肪注入豊胸は、非常に自然な仕上がりが魅力ですが、その一方で、一度の手術で実現できるサイズアップには限界があります。シリコンバッグ豊胸のように、一度で3カップも4カップも大きくすることはできません。この限界を理解し、現実的な期待値を持つことが、術後の満足度に繋がります。 【サイズアップの目安:1〜1.5カップ】 一般的に、脂肪注入豊胸による一度の手術でのサイズアップの目安は、「1カップ〜最大で1.5カップ程度」とされています。もちろん、注入する脂肪の量や、その後の定着率によって個人差はありますが、多くの方がこの範囲内に収まります。
  • 例: Aカップの方がB〜Cカップに、Bカップの方がC〜Dカップになるイメージです。
【なぜ大幅なサイズアップが難しいのか?】 サイズアップの限界は、主に以下の2つの要因によって決まります。
  1. 採取できる脂肪の量: 当然ながら、注入できる脂肪の量は、ご自身の身体から採取できる脂肪の量に依存します。バストを大きくするためには、片側あたり200cc〜300cc程度の脂肪注入が必要となることが多いですが、そのためには、その倍以上の脂肪を吸引する必要があります。もともと痩せ型で、採取できる脂肪が少ない方は、必然的にサイズアップ効果も限定的になります。
  2. バストの皮膚の伸展度(キャパシティ): こちらがより本質的な制限因子です。バストは、注入された脂肪を受け入れるための「器」です。この器の大きさ、つまり皮膚や乳腺組織がどれだけ伸びるか(伸展度)には限界があります。
    • 器の容量を超えて、無理やりパンパンに脂肪を注入すると、注入された脂肪組織への内圧が高まりすぎてしまいます。
    • 圧迫された脂肪細胞は、血流が確保できずに死んでしまい(壊死)、定着率が著しく低下します。
    • 結果として、しこりのリスクが高まるだけで、最終的なサイズアップには繋がりません。
もともとのバストが非常に小さい方(Aカップ未満など)は、皮膚の伸びしろも少ないため、一度に注入できる量が限られます。 【より大きなサイズアップを目指すには】
  • 複数回の施術: 一度目の手術で定着した脂肪は、自身の組織となり、血流も豊富な土台となります。そのため、半年〜1年以上の間隔をあけて、2回目、3回目と脂肪注入を繰り返すことで、皮膚のキャパシティを広げながら、徐々に大きなサイズを目指すことは可能です。
  • ハイブリッド豊胸: 比較的小さめのシリコンバッグを挿入し、その上から脂肪注入を行うことで、バッグの輪郭をぼかし、より自然な感触と谷間を形成する「ハイブリッド豊胸」という選択肢もあります。
脂肪注入豊胸は、「大きさ」を極端に追求するのではなく、「形や質感の自然さ」と、「バランスの取れたボリュームアップ」を求める方に最適な施術と言えるでしょう。

9. 費用相場とクリニックの選び方

脂肪注入豊胸は、脂肪吸引と脂肪注入という2つの高度な手技を組み合わせた手術であり、また、脂肪の質を高めるための特殊な機器も必要となるため、費用は比較的高額になります。自由診療のため、クリニックによって価格設定は大きく異なりますが、その内訳と相場を理解し、賢いクリニック選びをすることが重要です。 【脂肪注入豊胸の費用相場】
  • 目安: 80万円 〜 200万円以上
  • この大きな価格差は、主に以下の要因によって生まれます。
    • 脂肪の加工・濃縮技術: 採取した脂肪を単純に遠心分離にかけるだけの方法と、コンデンスリッチファット(CRF)のように、特殊な専用機器を用いて不純物を徹底的に除去し、脂肪を濃縮する方法とでは、コストが大きく異なります。一般的に、CRFなどの高度な技術を用いる方が、定着率が高く、しこりのリスクも低減できるため、費用も高くなります。
    • 脂肪吸引の範囲と量: 太もも全体、お腹全体など、広範囲から大量の脂肪を吸引する場合は、その分、手術時間も長くなり、費用も上がります。
    • 医師の技術料・クリニックの設備: 脂肪注入豊胸を専門とし、豊富な経験を持つ医師が執刀する場合や、最新の医療機器を導入しているクリニックでは、価格が高く設定される傾向にあります。
【料金に含まれる項目の確認】 カウンセリングで提示された見積もりには、何が含まれているのかを詳細に確認することがトラブルを避けるために不可欠です。
  • 一般的に含まれるべき項目:
    • 手術費用(脂肪吸引+脂肪注入)
    • 脂肪の加工・濃縮費用
    • 麻酔費用(静脈麻酔または全身麻酔)
    • 術前検査料(血液検査など)
    • 薬代(抗生剤、鎮痛剤など)
    • 術後の圧迫着代
    • 術後の検診・アフターケア費用
【後悔しないためのクリニック選びのポイント】 費用だけで選ぶのは、最も危険な選択です。以下のポイントを総合的に評価して、信頼できるクリニックを見つけましょう。
  • 1. 脂肪注入豊胸の症例数が豊富か: ウェブサイトなどで、多くの症例写真(様々な角度からの、加工のないもの)を公開しているかを確認します。仕上がりの美しさや自然さを、自分の美的感覚と照らし合わせましょう。
  • 2. 最新の技術と設備を導入しているか: 高い定着率を実現するための、コンデンスリッチファット(CRF)などの加工技術を導入しているかは、クリニックの質を見極める上で重要な指標です。
  • 3. 医師がカウンセリングを丁寧に行うか: メリットだけでなく、しこりや定着率の限界といったデメリットやリスクについても、時間をかけて正直に説明してくれる医師を選びましょう。あなたの質問や不安に、真摯に答えてくれる姿勢が大切です。
  • 4. アフターフォロー体制が充実しているか: 術後の検診や、万が一トラブルが起きた際の対応について、明確な体制が整っているかを確認します。
脂肪注入豊胸は、医師の技術と経験が結果を大きく左右する手術です。複数のクリニックでカウンセリングを受け、価格と医療の質、そして医師との相性を、総合的に判断することが成功への鍵となります。

10. 他の豊胸術にはない、脂肪注入ならではの魅力

世の中には、シリコンバッグ豊胸やヒアルロン酸豊胸など、バストを大きくするための様々な選択肢が存在します。その中で、脂肪注入豊胸が持つ独自の魅力とは何でしょうか。それは、単にバストを大きくするだけでなく、身体全体のバランスを捉え、自己組織という最も自然な素材を用いて、調和のとれた美しさを創り出すという、ホリスティックなアプローチにあります。 【「失う」と「得る」の理想的なサイクル】 脂肪注入豊胸は、コンプレックスだった部位の脂肪が「失われ」、それが理想のバストという形で「得られる」という、非常にポジティブで合理的なサイクルに基づいています。
  • マイナスをプラスに転換: 長年悩み続けてきた太ももの張りや、ぽっこりお腹の原因である脂肪が、ただ捨てるのではなく、自信の源である美しいバストへと生まれ変わります。このプロセスは、患者様に大きな精神的満足感をもたらします。
【究極のオーダーメイド・デザイン】 シリコンバッグは既製品の中から最適なものを選びますが、脂肪注入は、注入する量や場所をミリ単位で調整できるため、究極のオーダーメイドが可能です。
  • 細やかなディテール表現: デコルテの削げ感をふっくらさせる、谷間をより強調する、左右差を微調整する、授乳で萎んだバストの上半分にハリを持たせるなど、一人ひとりの希望に合わせた、極めて細やかなデザインを実現できます。
【身体と心が一体となる豊胸術】 自己組織を用いることで、術後のバストは完全にあなた自身の身体の一部となります。
  • 異物感からの解放: 体内に「異物」を入れているという感覚や、将来的なメンテナンスへの不安から解放されます。
  • 自然な変化の受容: 術後のバストは、加齢や体重の増減に伴って、他の身体の部位と同じように自然に変化していきます。この「自然なエイジング」を受け入れられることも、精神的な安定に繋がります。
もちろん、大幅なサイズアップが難しい、痩せている人は適応にならないといった限界もあります。しかし、「安全性」と「自然さ」を最優先し、ボディライン全体の調和を考えるならば、脂肪注入豊胸に勝る選択肢はないでしょう。 それは、ただバストを大きくするだけの「手術」ではなく、自分自身の可能性を最大限に引き出し、より美しく、より自信に満ちた自分へと生まれ変わるための「自己投資」であり、「ボディリノベーション」なのです。

まとめ

脂肪注入豊胸は、ご自身の気になる部位から吸引した脂肪をバストに注入することで、痩身と自然なバストアップを同時に実現する画期的な施術です。自己組織を用いるため、見た目や感触が極めて自然で、アレルギーなどのリスクが低いのが最大のメリットです。成功の鍵は、脂肪の「定着率」にあり、コンデンスリッチファット(CRF)などの高度な加工技術と、医師の丁寧な注入技術が不可欠です。しこりのリスクや、サイズアップには1〜1.5カップ程度という限界もありますが、安全性と自然さを最優先に考える方にとっては、最も満足度の高い豊胸術と言えるでしょう。  

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。

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