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COLUMN医師監修コラム

肋骨リモデリングと脂肪吸引|どっちが効果的?くびれ作りの最適な選択

2025.11.15

「食事制限も、ハードな筋トレも頑張っているのに、なぜかウエストだけが細くならない…」そんな鏡の前でのため息、あなたにも経験がありませんか?洋服のデザインによっては、実際の体重よりも太って見えてしまったり、理想のファッションを楽しめなかったり。この「寸胴体型」の悩みは、実は多くの女性が抱える、非常に根深いコンプレックスです。私自身、Webライターとして美容医療の情報を長年追いかけていますが、このお悩みがいかに切実であるかを肌で感じてきました。

多くの方が、くびれができない原因を単純に「脂肪のせい」だと考えがちです。しかし、もしあなたの努力が結果に結びついていないのだとしたら、その原因は皮下脂肪だけではないのかもしれません。そう、問題はあなたの「骨格」、特に肋骨の広がりに隠されている可能性があるのです。

これから、くびれ作りのための二大アプローチ、「脂肪吸引」と「肋骨リモデリング」について、徹底的に深掘りしていきます。脂肪を直接取り除く脂肪吸引と、骨格の土台からラインを整える肋骨リモデリング。この二つは全く異なる施術であり、どちらがあなたにとっての最適解なのかは、体型や理想によって大きく変わります。それぞれのメリット・デメリットから、驚くべき相乗効果、そしてあなたが後悔しない選択をするための具体的なステップまで、専門的な知見とリアルな視点を交えて、一つずつ丁寧に解説していきます。

1. あなたの寸胴、原因は脂肪?骨格?

くびれ作りを始める前に、まず立ち止まって考えてみてほしいことがあります。それは、「あなたの寸胴体型の本当の原因は何か?」という、根本的な問いです。この原因を見誤ったままでは、どんなに努力しても理想のウエストラインを手に入れることは難しいでしょう。

面白いことに、寸胴体型の主な原因は、大きく分けて2つのタイプに分類できます。それは、柔らかい「脂肪」が原因のタイプと、硬い「骨格」が原因のタイプです。もちろん、両方が組み合わさっているケースも少なくありません。

脂肪が原因の「ぷよぷよ寸胴」タイプ

まず、最も分かりやすいのが脂肪によるものです。ウエスト周りのお肉を、指でぐっとつまんでみてください。その時、指の間にたっぷりと柔らかいお肉が挟まるなら、あなたのくびれを邪魔している主犯は「皮下脂肪」である可能性が高いです。

  • 特徴:
    • お腹周り、特に脇腹や下腹部に脂肪がついている。
    • 体重の増減によって、ウエストサイズが変わりやすい。
    • 食事制限や運動である程度の効果が見られる。

このタイプの方は、まさに脂肪をダイレクトに減らすアプローチが有効です。しかし、自己流のダイエットでは落としたい部分だけを狙って痩せるのは至難の業。だからこそ、医療の力が必要とされるわけです。

骨格が原因の「がっちり寸胴」タイプ

一方で、ウエスト周りのお肉はあまりつまめないのに、なぜかウエストが太く見える、という方もいるはずです。その場合、原因は骨格、特に肋骨の開きにあるのかもしれません。

肋骨は、肺や心臓を守る鳥かごのような骨ですが、その下部は比較的動きやすい構造になっています。生まれつきの体型や、日々の姿勢、呼吸の仕方などによって、この肋骨の下部が外側にパカっと開いてしまうことがあるのです。肋骨が開くと、アンダーバストからウエストにかけての幅が広くなり、結果としてくびれのない、直線的なボディラインになってしまいます。

  • 特徴:
    • 痩せ型なのに、くびれがない。
    • アンダーバストのサイズが大きい、またはブラジャーのワイヤーが脇に食い込む。
    • 深呼吸をした時に、肋骨の下部が大きく横に広がるのが分かる。

このタイプの方がいくら脂肪を減らそうと努力しても、土台である骨格が広がっていては、美しいカーブは生まれません。例えるなら、ドレスの形は、中のワイヤーフレーム(骨格)で決まるようなもの。外側の布(脂肪)を減らすだけでは、シルエットそのものは変わらないのです。

まずは自分の体を客観的に観察し、原因がどちらのタイプに近いのか、あるいは両方の要素を持っているのかを見極めること。それが、理想のくびれへの確かな第一歩になります。

 

2. 脂肪吸引で細くなるウエスト

ウエスト周りの脂肪に悩む方にとって、「脂肪吸引」は最も直接的で効果的な解決策の一つです。その名の通り、カニューレと呼ばれる細い管を使って、余分な皮下脂肪を物理的に吸引し、体外へ排出する施術。まさに、気になる部分の贅肉をピンポイントで削り出す、ボディの彫刻術と言えるでしょう。

脂肪細胞そのものを減らすという根本治療

ダイエットで体重が落ちても、特定の部位だけ細くならないのは、脂肪細胞の「大きさ」は変わっても「数」は変わらないからです。しかし、脂肪吸引は脂肪細胞の数そのものを減らしてしまうため、リバウンドのリスクが極めて低いのが最大の魅力です。一度吸引した部位は、多少体重が増えても太りにくくなります。

考えてみてください。あなたが長年、筋トレや食事制限で戦ってきた、あの頑固な脇腹の「浮き輪肉」。それを、まるで彫刻家が粘土を削るように、理想のラインへとデザインできるのです。術後は、これまで諦めていたタイトなワンピースや、ウエストインのファッションを心から楽しめるようになるでしょう。その変化は、単なるサイズダウンに留まらず、自信という内面的な輝きまで与えてくれます。

どんな人に効果的か?

脂肪吸引が特にその真価を発揮するのは、以下のような方です。

  • ウエスト周りの皮下脂肪が、手でしっかりとつまめる方
  • 全体的には太っていないが、部分的に脂肪がついている方
  • ダイエットで体重は減ったのに、体型(特にウエストライン)に変化が見られない方

重要なのは、脂肪吸引は体重を減らすための施術ではない、という点です。あくまで、ボディラインを美しく整えるためのもの。もしあなたの悩みの原因が、つまめる皮下脂肪ではなく、内臓脂肪や骨格にある場合、脂肪吸引だけでは満足のいく結果が得られない可能性もあります。だからこそ、次の「肋骨リモデリング」という選択肢が、非常に重要になってくるのです。

3. 骨格からアプローチする肋骨リモデリング

「脂肪は少ないはずなのに、なぜかくびれができない…」その長年の疑問に、一つの答えを提示してくれるのが「肋骨リモデリング」です。これは、美容医療の中でも比較的新しい分野で、脂肪ではなく骨格そのものにアプローチして、くびれの土台を作り出すという画期的な発想の施術です。

骨を削らずに形を整える特殊技術

「肋骨をどうにかする」と聞くと、「骨を切ったり削ったりするのでは?」と少し怖いイメージを持つかもしれません。ですが、安心してください。肋骨リモデリングは、メスを使わない非切開、あるいは非常に小さな切開で行われるのが一般的です。

その本質は、特殊な医療機器を用いて、肋骨に微細なクラック(ヒビ)を入れたり、骨に柔軟性を持たせたりした上で、外側から圧力をかけて形を整え、コルセットなどで固定するというもの。まるで、熟練の職人が、体の内側にあるドレスの骨組み(肋骨)を、理想のシルエットに合わせて優しく矯正していくようなイメージです。

外に広がってしまっていた肋骨の下部を内側に締めることで、アンダーバストからウエストにかけての幅が物理的に狭くなります。これにより、これまでどんなにダイエットをしても現れなかった、シャープで美しいウエストのカーブが生まれるのです。

どんな人に効果的か?

この施術は、従来の脂肪吸引では解決できなかった、以下のような「骨格寸胴」タイプの方にとって、まさに救世主となり得ます。

  • 痩せている、または脂肪は少ないのに、ウエストが直線的な方
  • 肋骨の下部が横に広がっているのが、自分でも触って分かる方
  • アンダーバストが広く、上半身ががっちりして見える方

肋骨リモデリングは、体の土台、つまり設計図そのものを書き換えるようなアプローチです。脂肪という名の装飾を取り払ってもなお残る、ボディラインの根本的な問題にメスを入れる。これまで「体質だから」「骨格だから」と諦めていた方にこそ、知ってほしい選択肢なのです。

4. 両者を組み合わせることで得られる相乗効果

脂肪吸引と肋骨リモデリング。それぞれが異なる悩みに対応する強力な施術ですが、もし、この二つを組み合わせたらどうなるでしょうか?それは、まるで最高の彫刻家(脂肪吸引)と、最高の建築家(肋骨リモデリング)がタッグを組んで、一つの作品を作り上げるようなもの。単独の施術では到達できない、究極のウエストラインを創造する可能性を秘めているのです。

「土台作り」と「仕上げ彫刻」の完璧な連携

この組み合わせ治療のプロセスを、家の建築に例えてみましょう。

  1. STEP1: 骨格の矯正(肋骨リモデリング)
    まず、建築家が家の基礎と骨組みを整えます。これが肋骨リモデリングの役割です。広がった肋骨を内側に締めることで、くびれの「土台」となる頑丈で美しいフレームを作り上げます。この段階で、ウエストの最大幅が物理的に狭くなります。
  2. STEP2: 細部のデザイン(脂肪吸引)
    次に、彫刻家が登場し、壁の装飾や細部の仕上げを行います。これが脂肪吸引の役割です。骨格の上に乗っている余分な皮下脂肪を丁寧に取り除き、滑らかで女性らしい曲線美を削り出していきます。骨格だけでは作れない、肉感的な柔らかさと、シャープなラインのコントラストを生み出すのです。

この二つのプロセスが組み合わさることで、ただ細いだけではない、深く、滑らかで、立体的なウエストのカーブが生まれます。肋骨リモデリングで骨格の最大幅を狭め、さらに脂肪吸引でその上の脂肪層を薄くすることで、まさに「マイナス×マイナス」の劇的な相乗効果が期待できるのです。

組み合わせ治療が理想的なケース

特に、以下のような悩みを持つ方にとっては、このコンビネーション治療が最も理想的な結果をもたらす可能性があります。

  • 肋骨の開きと、ウエスト周りの皮下脂肪の両方が気になる方
  • どちらか一方の施術だけでは、理想のラインに届かないと医師に診断された方
  • 単に細くなるだけでなく、モデルのような非現実的とも思えるほどのウエストラインを目指したい方

もちろん、二つの施術を同時に行うことは、体への負担やダウンタイム、費用といった面も考慮しなければなりません。しかし、これまで何をしても叶わなかった理想のくびれを手に入れるための、最も確実でパワフルな選択肢であることは間違いないでしょう。

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5. それぞれのメリット・デメリット

理想の体型を手に入れるためには、施術の素晴らしい効果だけでなく、その裏側にあるメリットとデメリットを冷静に理解しておくことが不可欠です。ここでは、脂肪吸引と肋骨リモデリング、それぞれの光と影の部分を、包み隠さず解説します。

脂肪吸引のメリット・デメリット

【メリット】

  • 確実な部分痩せが可能: 狙った部位の脂肪を物理的に取り除くため、効果が非常に分かりやすいです。
  • リバウンドしにくい: 脂肪細胞の数自体を減らすため、一度施術した箇所は太りにくくなります。
  • デザイン性が高い: 単に脂肪を減らすだけでなく、医師の技術によって滑らかな曲線を作り出すことができます。

【デメリット】

  • ダウンタイムが必要: 術後の腫れ、痛み、内出血は避けられません。特に最初の1週間は日常生活に制限が出ることもあります。
  • 皮膚のたるみの可能性: 大量の脂肪を吸引した場合や、皮膚の弾力が低下している場合、皮膚がたるんでしまうリスクがあります。
  • 拘縮(こうしゅく)期間がある: 術後、皮膚が硬くなったり、表面が凸凹したりする「拘縮」という期間が数ヶ月続きます。これは治癒過程の一部ですが、不安に感じる方もいます。

肋骨リモデリングのメリット・デメリット

【メリット】

  • 骨格レベルでの変化: 脂肪の量に関わらず、ウエストの土台そのものを細くすることができます。
  • 傷跡がほとんど目立たない: 非切開や小さな切開で行われるため、脂肪吸引に比べて傷跡の心配が少ないです。
  • 脂肪がない人でも効果を実感できる: 痩せ型でくびれがない、という悩みに直接アプローチできます。

【デメリット】

  • 後戻りの可能性: 術後の固定や生活習慣によっては、締めた肋骨が元の位置に少し戻ってしまう可能性があります。
  • 対応できるクリニックが限られる: 比較的新しい施術であり、高度な技術を要するため、どのクリニックでも受けられるわけではありません。
  • 効果に個人差がある: 元々の骨格や骨の硬さによって、変化の度合いには個人差が出やすい側面があります。

これらの点を総合的に比較検討し、自分にとって何が最も重要で、どのリスクなら許容できるのかを、冷静に判断することが後悔しない選択への鍵となります。

6. どちらの施術があなたに適しているか

ここまで読んできて、「じゃあ、結局私はどっちを選べばいいの?」と迷っている方も多いでしょう。ここでは、あなたが自分自身の体と向き合い、最適な施術を見つけるためのセルフ診断ガイドをご用意しました。いくつかの質問に答える形で、考えてみてください。

Case1: 「脂肪吸引」が第一候補になるあなた

もし、以下の項目に多く当てはまるなら、まずは脂肪吸引を検討するのが良いかもしれません。

  • □ ウエスト周りのお肉が、両手でしっかりとつかめる。
  • □ 体重が増えると、真っ先にウエスト周りに肉がつく。
  • □ 痩せたり太ったりを繰り返してきた経験がある。
  • □ 肋骨の開きはあまり気にならないが、とにかく脇腹の脂肪をなくしたい。

あなたの悩みは、ボディラインを覆っている「脂肪」という名のヴェールにあります。このヴェールを取り除くことで、本来の体のラインが姿を現し、美しいくびれが生まれる可能性が高いでしょう。

Case2: 「肋骨リモデリング」が第一候補になるあなた

一方、こちらの項目に心当たりがある方は、肋骨リモデリングが劇的な変化をもたらす可能性があります。

  • □ 痩せているのに、ウエストにまったくカーブがない。
  • □ お腹のお肉はほとんどつまめない。
  • □ 鏡の前で体を横から見ると、上半身が厚く、平面的に見える。
  • □ 息を吸うと、肋骨の下の方が大きく横に広がるのが分かる。

あなたの悩みは、表面的な脂肪ではなく、体の「設計図」そのものにあります。土台となる骨格の幅を狭めることで、これまで隠れていた女性らしい曲線美を引き出すことができるはずです。

Case3: 「組み合わせ治療」が最高の選択肢になるあなた

そして、もしあなたが究極の美を追求するなら…

  • □ ウエストの脂肪も気になるし、肋骨の開きも明らかに感じる。
  • □ ただ細くなりたいのではなく、砂時計のような理想的なカーブが欲しい。
  • □ どちらか一方の施術では、中途半端な結果で終わりそうな気がする。

あなたは、脂肪と骨格、両方の課題を抱えている可能性が高いです。だからこそ、両方にアプローチできる組み合わせ治療が、あなたのコンプレックスを根本から解消し、想像を超える結果をもたらしてくれるかもしれません。

もちろん、これはあくまで簡易的な診断です。最終的な判断は、専門の医師による触診やカウンセリングを経て行われるべきです。しかし、この自己分析は、あなたがカウンセリングの場で、自分の希望を的確に伝えるための、重要な準備運動になるはずです。

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7. ダウンタイムと費用の比較

施術を決断する上で、避けては通れないのが「ダウンタイム」と「費用」という二つの現実的な問題です。理想の体を手に入れるための投資として、どれくらいの覚悟が必要なのか。リアルな視点で比較してみましょう。

ダウンタイム:回復までの道のり

脂肪吸引

脂肪吸引のダウンタイムは、比較的ハードな道のりになることを覚悟しておく必要があります。

  • 痛み・腫れのピーク: 術後2〜3日が最も強く、1週間程度で徐々に落ち着いてきます。鎮痛剤でコントロールできる範囲ですが、動くのが億劫に感じるでしょう。
  • 内出血: 広い範囲に紫色や黄色の内出血が出ますが、これは2〜3週間で自然に消えていきます。
  • 拘縮(こうしゅく): 術後1ヶ月頃から始まり、半年ほどかけて徐々に改善します。この間はマッサージなどのケアが推奨されることが多いです。
  • 社会復帰: デスクワークなら1週間、体を動かす仕事なら2週間程度の休みを確保するのが一般的です。

肋骨リモデリング

一方、肋骨リモデリングのダウンタイムは、脂肪吸引に比べると穏やかです。

  • 痛み: 術後数日間、筋肉痛のような鈍い痛みが続くことがあります。
  • 固定: 術後、肋骨を正しい位置で安定させるために、専用のコルセットやバンドで数週間から数ヶ月間固定する必要があります。これが最も重要な期間です。
  • 社会復帰: 身体的な負担は少ないため、数日の休みで復帰できるケースがほとんどです。

組み合わせた場合

両方を同時に行う場合、脂肪吸引のダウンタイムの中に、肋骨リモデリングのダウンタイムが含まれる形になります。大変さは増しますが、一度の休みで全ての回復期間を終えられるというメリットもあります。

費用:理想への投資額

費用はクリニックや施術範囲によって大きく異なるため、一概には言えませんが、一般的な傾向として知っておきましょう。

  • 脂肪吸引: ウエスト周り(腹部全体や腰など)で、数十万円からが相場です。吸引する範囲が広くなるほど費用は上がります。
  • 肋骨リモデリング: 高度な技術を要する専門的な施術のため、比較的高額になる傾向があり、百万円を超えることも珍しくありません。

大切なのは、単純な金額の安さだけでクリニックを選ばないことです。費用には、医師の技術料、麻酔代、術後の薬代、アフターケアの費用などが含まれています。安すぎる場合は、どこかの質が犠牲になっている可能性も否定できません。あなたの体を預けるのですから、価格だけでなく、安全性や信頼性、そして医師との相性を総合的に判断することが、何よりも重要です。

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8. 肋骨リモデリングの前に脂肪吸引が必要な場合

多くの場合、脂肪吸引と肋骨リモデリングは、それぞれ独立した選択肢、あるいは理想を追求するための組み合わせとして考えられます。しかし、中には「肋骨リモデリングを成功させるために、まず脂肪吸引が必要」と判断されるケースがあるのです。これは、より専門的で、医師の正確な診断が不可欠な領域です。

なぜ、先に脂肪を減らす必要があるのか?

その理由は、大きく分けて二つあります。

  1. 骨格の正確な状態を把握するため
    ウエスト周りに厚い脂肪の層があると、医師が外から触診しただけでは、肋骨が実際にどの程度開いているのか、どんな形をしているのかを正確に把握することが難しくなります。まるで、分厚いコートを着た人の体型を正確に言い当てようとするようなものです。まず脂肪吸引でその「コート」を脱がせることで、骨格という本来の姿が露わになり、より的確で効果的なリモデリング計画を立てられるようになります。
  2. リモデリングの効果を最大限に引き出すため
    肋骨リモデリングは、骨格の幅を狭める施術です。しかし、その上に分厚い脂肪が乗ったままでは、せっかく骨格が細くなっても、見た目の変化が分かりにくくなってしまいます。例えるなら、部屋の壁を動かして部屋自体は狭くしたのに、部屋の中に大きな家具(脂肪)がたくさん置かれたままでは、広さの変化を実感しにくい、という状況に似ています。先に脂肪を取り除いておくことで、リモデリングによる骨格の変化が、ダイレクトに見た目の美しさとして現れるのです。

施術の順番は医師の判断がすべて

「じゃあ、私も先に脂肪吸引をした方がいいの?」と自己判断するのは早計です。この順番が推奨されるのは、あくまで皮下脂肪がかなり厚い場合に限られます。ほとんどの場合は、同時施術、あるいは肋骨リモデリング単体でも十分な効果が得られます。

最終的にどちらを先に行うか、あるいは同時に行うのがベストなのかは、あなたの脂肪のつき方、皮膚の厚さ、そして目指すゴールによって変わります。これは、経験豊富な医師があなたの体を診察して初めて下せる判断です。カウンセリングの際には、こうした施術の順番についても、積極的に質問してみると良いでしょう。

9. 理想のくびれを実現するための施術計画

さて、ここまで様々な情報をインプットしてきたあなたは、理想のくびれを手に入れるための具体的なアクションプランを立てる準備が整いました。闇雲にクリニックを探す前に、一度立ち止まり、成功へのロードマップを描いてみましょう。

STEP 1: 現状の自分を客観的に知る

まずは、感情を一旦横に置いて、鏡の前に立ち、自分の体を冷静に観察します。

  • 脂肪のつき方: どこに、どのくらい脂肪がついているか。手でつまんで厚さを確認する。
  • 骨格の形: 肋骨の開き具合はどうか。アンダーバストの幅は広いか。
  • 全体のバランス: 身長や他のパーツとのバランスはどうか。

写真や動画を撮っておくのも非常に有効です。この客観的な自己分析が、後のカウンセリングで医師とイメージを共有するための、最も重要な資料となります。

STEP 2: あなたの「理想のゴール」を明確にする

次に、「どうなりたいか」を具体的にイメージします。「ただ細くなりたい」という漠然としたものではなく、もっと解像度を高くしましょう。

  • 憧れの有名人やモデルの写真を集める: ただし、骨格は人それぞれ違うので、あくまで「雰囲気」の参考として。
  • 着たい服を具体的にリストアップする: 「このブランドの、このタイトスカートが履きたい」など。
  • 数値目標よりも「見た目」を重視する: 「ウエスト〇cm」も良いですが、「正面から見た時に、滑らかなS字カーブが欲しい」といった、見た目のゴールを設定する方が、医師と共有しやすいです。

この「理想のゴール」が明確であるほど、あなたに必要な施術もおのずと見えてきます。

STEP 3: 徹底的な情報収集と比較検討

ゴールが見えたら、いよいよクリニック選びです。しかし、焦ってはいけません。

  • 複数のクリニックをリストアップする: 脂肪吸引、肋骨リモデリング、両方の症例が豊富なクリニックを探しましょう。
  • 医師の経歴と症例写真を確認する: 特に、自分と似た体型の人の症例写真は、仕上がりをイメージする上で非常に参考になります。
  • 口コミを参考にする: ただし、ネット上の情報を鵜呑みにせず、あくまで参考程度に留め、良い点も悪い点もチェックします。

STEP 4: 複数のカウンセリングで「答え合わせ」をする

情報収集が済んだら、最低でも2〜3つのクリニックで実際にカウンセリングを受けましょう。これは、あなたの自己分析や理想が、プロの目から見て現実的かどうかを「答え合わせ」するための、最も重要なプロセスです。同じ悩みでも、医師によって提案する施術が異なることもあります。それぞれの意見を聞くことで、あなたにとって最も納得のいく治療法が見つかるはずです。

理想のくびれ作りは、衝動的に行うものではありません。しっかりとした計画と準備こそが、後悔のない、最高の満足感へと繋がるのです。

10. カウンセリングで医師と相談するポイント

いよいよ、最後の関門であり、成功への扉を開く鍵となる「カウンセリング」です。この場で、あなたがどれだけ医師と深くコミュニケーションを取れるかが、結果を大きく左右します。ただ話を聞くだけの受け身の姿勢ではなく、「賢い患者」として、主体的に臨みましょう。

カウンセリングを有意義なものにするために、事前に確認・質問すべきポイントをリストアップしました。これらをメモして持参することをお勧めします。

必ず確認すべき質問リスト

  • 実績と症例について
    • 「先生の、私と似た体型(脂肪のつき方や骨格)の方の症例写真を見せていただけますか?」
    • 「脂肪吸引と肋骨リモデリング、それぞれの年間症例数はどのくらいですか?」
  • 施術内容の具体的な説明
    • 「私の体の場合、脂肪吸引と肋骨リモデリング、どちらがより効果的だと思われますか?その理由も教えてください。」
    • 「もし組み合わせる場合、どのような順番や方法で進めるのがベストですか?」
    • 「施術によって起こりうるリスクや合併症について、可能性が低いものも含めて全て教えてください。」
  • ダウンタイムとアフターケア
    • 「術後の痛みや腫れは、具体的にどのような経過をたどりますか?」
    • 「仕事に復帰できるまで、現実的にどのくらいの日数が必要ですか?」
    • 「術後の検診や、万が一トラブルが起きた際のサポート体制はどうなっていますか?」
  • 費用について
    • 「提示された見積もりには、麻酔代、薬代、検診代など、必要な費用が全て含まれていますか?追加で発生する可能性のある費用はありますか?」

最も大切なのは「ゴールイメージのすり合わせ」

憧れのモデルの写真を見せることは有効ですが、それ以上に大切なのは、医師とあなたの間で「現実的なゴール」を共有することです。「あなたの骨格では、この写真のようにはなれないが、ここまでなら実現可能です」といった、プロとしての率直な意見を言ってくれる医師こそ、信頼できるパートナーと言えるでしょう。

あなたの不安や疑問を一つひとつ丁寧に解消し、メリットだけでなくデメリットもきちんと説明してくれるか。そして何より、あなたという一人の人間と真摯に向き合い、共に理想を目指してくれるか。その「人としての相性」を、ぜひ肌で感じてみてください。

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あなたの理想は、脂肪と骨格、両方からのアプローチで完成する

ここまで、くびれ作りのための二つの大きな柱、「脂肪吸引」と「肋骨リモデリング」について、様々な角度から掘り下げてきました。もしかしたら、あなたは当初、「どちらかを選べばいい」と考えていたかもしれません。しかし、もうお分かりいただけたはずです。この二つは、どちらが優れているかを競うライバルではなく、互いの長所を最大限に引き出し合う、最高のパートナーなのです。

脂肪吸引は、あなたのボディラインを覆う余分な脂肪を取り除き、本来の美しさを引き出す彫刻術。

肋骨リモデリングは、その美しさを支える土台そのものを整え、シルエットの根本を変える建築術。

あなたの体がどちらを求めているのか、あるいは両方を必要としているのか。その答えは、あなた自身の体の中にあります。

これからあなたが踏み出す一歩は、単に体を細くするためのものではありません。長年抱えてきたコンプレックスから解放され、自分にもっと自信を持ち、ファッションを、そして人生を心から楽しむための、未来への投資です。その道のりは決して楽ではないかもしれませんが、信頼できる医師という名のナビゲーターと共に、しっかりと準備をすれば、必ずや理想のゴールにたどり着けるはずです。

まずは鏡の前の自分とじっくり向き合うことから、あなたのくびれ作りの物語を始めてみてください。

 

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。

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