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COLUMN医師監修コラム

デリケートゾーンの悩み「婦人科形成」とは?施術の種類・費用・効果を解説

2025.09.22

デリケートゾーンの形や大きさ、黒ずみ、ゆるみ——。これらの悩みは、他人に相談しにくく、一人で抱え込んでしまう方が少なくありません。しかし、見た目のコンプレックスだけでなく、痛みや蒸れ、擦れといった機能的な問題を引き起こし、日常生活の質(QOL)を大きく低下させることもあります。こうした女性特有の悩みを、医学的なアプローチで解決するのが「婦人科形成(デリケートゾーン整形)」です。かつてはタブー視されがちだったこの分野も、現在では女性のQOL向上に貢献する重要な医療として認知されつつあります。本記事では、婦人科形成によってどのような悩みが解決できるのか、具体的な施術の種類から費用、信頼できるクリニックの選び方まで、専門的かつ包括的に解説します。あなたの長年の悩みが、正しい知識を得ることで解決への一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。  

1. 婦人科形成で解決できる悩み

婦人科形成は、女性器周辺の見た目や機能に関する多岐にわたる悩みに対応する医療分野です。これらの悩みは、決して「わがまま」や「気にしすぎ」ではなく、具体的な不快感や精神的な苦痛を伴う正当な医療相談の対象です。婦人科形成で解決が期待できる悩みは、大きく「機能的な問題」「審美的な問題」の2つに分類できます。

機能的な問題の解決

日常生活における物理的な不快感や、衛生上の問題点を改善します。
  • 痛みや不快感の解消:
    • 小陰唇の肥大による擦れ・痛み: 小陰唇が生まれつき大きい、あるいは左右差があることで、下着やズボンと擦れて痛みを感じることがあります。特に、タイトなジーンズを履いた時や、自転車に乗る時、長時間のデスクワークで不快感を覚える方は少なくありません。
    • 性交時の痛み: 肥大した小陰唇が、性交時に膣内に巻き込まれることで痛みを感じる(性交痛)場合があります。
  • 衛生面の改善:
    • 蒸れやかぶれ: 小陰唇のヒダが多い、あるいは大きいと、通気性が悪くなり、蒸れやすくなります。これにより、かぶれや痒み、皮膚炎などのトラブルを引き起こしやすくなります。
    • ニオイの軽減: 複雑なヒダの間に恥垢(ちこう)や汚れが溜まりやすくなり、洗浄が困難になることがあります。これがニオイの原因(すそわきが等)となり、悩んでいる方も多いです。
    • 生理時の不快感: 経血が小陰唇に付着しやすく、ナプキンによる蒸れと相まって不快感が増すことがあります。

審美的な問題の解決

見た目に関するコンプレックスを解消し、自信を取り戻すことを目的とします。
  • 見た目へのコンプレックス:
    • 大きさや形: 小陰唇が大きくはみ出している、黒ずみが強い、左右の形が非対称であるなど、自身のデリケートゾーンの見た目にコンプレックスを感じ、温泉やプール、パートナーとの関係に積極的になれないという悩みです。
    • 加齢による変化: 大陰唇のハリがなくなりシワシワになる、痩せて見えるといった変化は、加齢や急激な体重減少によって生じます。これらが老けた印象を与え、悩みの種となることがあります。
  • ゆるみに関する悩み:
    • 膣のゆるみ: 出産や加齢により、膣を支える筋肉(骨盤底筋群)が緩み、膣の締まりが悪くなったと感じることがあります。これにより、性交時の満足度が低下したり、お風呂のお湯が膣内に入ってしまう「湯漏れ」が起きたりすることがあります。
これらの悩みは、それぞれが独立している場合もあれば、複数が絡み合っていることも少なくありません。例えば、小陰唇の肥大が見た目のコンプレックスであると同時に、擦れの痛みの原因にもなっている、といったケースです。婦人科形成は、こうした一人ひとりの複雑な悩みに寄り添い、機能面と審美面の両方からアプローチすることで、総合的なQOLの向上を目指す医療なのです。

2. 小陰唇縮小術とは?

婦人科形成の中でも、最も相談件数が多く、代表的な手術が「小陰唇縮小術(しょういんしんしゅくしょうじゅつ)」です。これは、平均よりも大きい、あるいは左右差のある小陰唇の余分な組織を切除し、形と大きさを整える手術です。単に小さくするだけでなく、機能的な問題を解決し、自然で美しい見た目へと導くことを目的とします。

小陰唇の肥大とは?

小陰唇は、大陰唇の内側にあるヒダ状の皮膚組織で、尿道口や膣口を乾燥や摩擦から守る役割があります。その大きさや形、色には個人差があり、「正常」や「異常」といった明確な基準はありません。しかし、一般的に、リラックスした状態で大陰唇からはみ出す程度の大きさであったり、幅が4〜5cm以上あったりする場合に「小陰天肥大」と表現されることがあります。この肥大は、ほとんどが先天的なものであり、病気ではありません。

小陰唇縮小術の具体的な方法

小陰唇縮小術には、主に2つの術式があり、患者様の元々の形や希望する仕上がりに応じて、医師が最適な方法を選択します。
  • 楔状切除(くさびじょうせつじょ)法 / Wedge Resection:
    • 方法: 小陰唇の最も厚く、大きい部分を楔形(V字型)に切除し、切り口同士を丁寧に縫合する方法です。
    • メリット: 小陰唇の縁(ふち)にある自然な色味や質感を温存できるため、仕上がりが非常にナチュラルです。また、神経や血管のダメージを最小限に抑えやすく、術後の感覚低下のリスクが比較的低いとされています。
    • デメリット: 切除できる組織の量に限界があるため、大幅なサイズダウンには向かない場合があります。また、縫合部分に若干の引きつれが起こる可能性があります。
  • 縁取り切除(ふちどりせつじょ)法 / Edge Trimming:
    • 方法: はみ出している小陰唇の縁に沿って、余分な組織を一直線に切除し、縫合する方法です。
    • メリット: シンプルな術式で、デザインの自由度が高く、大幅なサイズダウンや黒ずみの強い縁部分の除去に適しています。
    • デメリット: 小陰唇の自然な縁が失われるため、仕上がりがやや人工的な印象になる可能性があります。また、医師の縫合技術によっては、縫合線が傷跡として目立ったり、感覚が鈍くなったりするリスクが楔状切除法より高いとされています。
近年では、これら2つの術式を組み合わせたり、Z形成術などを応用したりすることで、より自然で機能的な仕上がりを追求するクリニックも増えています。手術は、溶ける糸を使用することが多く、その場合、術後の抜糸は不要です。

手術によって得られる効果

小陰唇縮小術を受けることで、以下のような多岐にわたる効果が期待できます。
  • 下着や衣服との擦れによる痛みの解消
  • 蒸れやかぶれなど、皮膚トラブルの軽減
  • 汚れが溜まりにくくなり、衛生状態が向上
  • 見た目のコンプレックスが解消され、自信が持てる
  • 性交時の巻き込みによる痛みの改善
この手術は、単に見た目を美しくするだけでなく、長年の身体的な苦痛や精神的なコンプレックスから女性を解放し、QOLを劇的に向上させる可能性を秘めた、非常に満足度の高い施術の一つです。

3. 副皮除去術、クリトリス包茎手術

小陰唇縮小術と同時に行われることが多いのが、「副皮(ふくひ)除去術」「クリトリス包茎(ほうけい)手術」です。これらは、小陰唇だけでなく、その周辺の構造をトータルで整えることで、より機能的でバランスの取れた美しいデリケートゾーンを実現するために重要な施術です。単独で行われることもありますが、小陰唇との連続性を考慮し、同時に手術を受けることで、より満足度の高い結果が得られます。

副皮除去術とは?

  • 副皮とは: 小陰唇とクリトリス(陰核)の間に存在する、ヒダ状の皮膚のことを指します。この副皮が大きいと、小陰唇を小さくしてもヒダが残って見え、全体のバランスが悪くなったり、汚れが溜まる原因になったりします。小陰唇の肥大に合併しているケースが多く、見逃されやすい部分でもあります。
  • 手術の目的と方法: 副皮除去術は、この余分なヒダを切除する手術です。小陰唇縮小術と同時に行う場合、小陰唇から副皮にかけて連続性を持たせたデザインで切除することで、非常に滑らかで自然な見た目に仕上げることが可能です。単に切除するだけでなく、クリトリスが露出しすぎないように、また傷跡が目立たないように、高度なデザイン力と縫合技術が求められます。この施術により、見た目のすっきり感が増し、衛生面もさらに向上します。

クリトリス包茎(陰核包皮除去術)とは?

  • クリトリス包茎とは: クリトリス(陰核)が、その上を覆う皮膚(包皮)に過剰に覆われている状態を指します。男性の包茎と同様の概念で、医学的には「陰核包皮過長症」とも呼ばれます。この状態だと、性的感度が鈍くなる原因となったり、包皮の内側に恥垢が溜まりやすく、ニオイや炎症を引き起こしたりすることがあります。
  • 手術の目的と方法: この手術は、クリトリスを覆っている余分な包皮を切除し、クリトリスを適度に露出させることを目的とします。
    • 効果:
      • 感度の向上: 直接的な刺激が伝わりやすくなり、性的満足度の向上が期待できます。
      • 衛生面の改善: 恥垢が溜まりにくくなり、ニオイや痒みの原因を除去できます。
      • 見た目の改善: 小陰唇とのバランスが整い、すっきりとした印象になります。
  • 手術における注意点: クリトリス周辺は、非常に多くの神経と血管が集中している極めてデリケートな部位です。そのため、手術にはミリ単位の精度が要求されます。包皮を切除しすぎると、クリトリスが露出しすぎてしまい、常に下着と擦れて痛みを感じる「知覚過敏」の状態になるリスクがあります。逆に切除が不十分だと、効果が実感できません。したがって、この手術は、女性器の解剖学を熟知し、経験豊富な医師に任せることが絶対条件となります。
小陰唇、副皮、クリトリス包皮は、それぞれが独立したパーツではなく、連続した一つの構造体です。そのため、婦人科形成を検討する際は、小陰唇だけを見るのではなく、これらの周辺組織との全体的なバランスを考慮してくれる医師に相談することが、理想の仕上がりへの近道となります。

4. 大陰唇のたるみ・シワへのアプローチ

大陰唇(だいいんしん)は、デリケートゾーンの一番外側に位置し、小陰唇や膣を外部の衝撃から守るクッションのような役割を担っています。若い頃は皮下脂肪が豊富でふっくらとしたハリがありますが、加齢、急激なダイエット、出産などによるホルモンバランスの変化によって、皮下脂肪が減少し、皮膚が伸びてしまうことがあります。これにより、大陰唇にたるみや深いシワが生じ、貧相で老けた印象を与えてしまうことが、多くの女性の悩みとなっています。このような大陰唇の変化に対しては、主に2つのアプローチがあります。

① 注入療法(フィラー)によるボリュームアップ

失われたボリュームを補い、内側からハリを取り戻させる方法です。比較的ダウンタイムが短く、手軽に受けられるのが特徴です。
  • ヒアルロン酸注入:
    • 方法: 医療用のヒアルロン酸製剤を、大陰唇の皮下に直接注入し、ボリュームを出してシワを伸ばします。施術は注射のみで完了し、時間は15〜30分程度です。
    • メリット: 施術が短時間で、ダウンタイムがほとんどないため、当日から日常生活に戻れます。アレルギー反応のリスクも極めて低いです。
    • デメリット: ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されるため、効果は永久ではありません。持続期間は製剤の種類にもよりますが、約1年〜2年が目安となり、効果を維持するためには定期的な再注入が必要です。
  • 脂肪注入(コンデンスリッチファットなど):
    • 方法: ご自身の太ももやお腹などから吸引した脂肪を、遠心分離機にかけて不純物を取り除き、濃縮した良質な脂肪細胞(コンデ-ンスリッチファットなど)を大陰唇に注入します。
    • メリット: 自己組織を使用するため、アレルギーや異物反応の心配がありません。注入した脂肪の一部が生着すれば、その効果は半永久的に持続し、ヒアルロン酸よりも自然で柔らかい仕上がりが期待できます。
    • デメリット: 脂肪を吸引する工程が必要なため、体への負担がヒアルロン酸より大きく、脂肪吸引部位に内出血や腫れなどのダウンタイムが生じます。また、注入した脂肪の生着率には個人差があり、1回の施術で理想のボリュームに達しない可能性もあります。

② 外科手術によるたるみ除去

注入療法だけでは改善が難しいほど、皮膚のたるみが著しい場合に適応される方法です。
  • 大陰唇皮膚切除術(たるみ取り):
    • 方法: 大陰唇の付け根や、シワに沿って余分な皮膚を切除し、丁寧に縫合することで、たるみを根本から引き上げます。
    • メリット: たるみを物理的に除去するため、最も効果が確実で、持続性も高いです。
    • デメリット: 切開を伴う外科手術であるため、注入療法に比べてダウンタイムが長くなります。また、傷跡が残るリスクがありますが、経験豊富な医師は、大陰唇と太ももの境界など、傷跡が極力目立たない部位を選んで切開します。
どの方法が最適かは、大陰唇のたるみの程度、脂肪の減少具合、そして患者様がどれくらいのダウンタイムを許容できるかによって異なります。まずは専門医の診察を受け、自身の状態に最も合った治療法について、メリット・デメリットを含めて十分に相談することが重要です。

5. 膣縮小(膣圧形成)の方法と効果

出産や加齢、運動不足などにより、膣を支える筋肉(骨盤底筋群)が伸びたり、膣粘膜のコラーゲンが減少したりすると、「膣のゆるみ」を感じることがあります。これは、性交時の満足度の低下、パートナーからの指摘、お風呂のお湯が膣内に入ってしまう「湯漏れ」、軽い尿漏れといった悩みに繋がります。このような膣のゆるみを改善し、締まりを取り戻すのが「膣縮小(ちつしゅくしょう)術」「膣圧形成(ちつあつけいせい)」と呼ばれる施術です。アプローチには、大きく分けて非外科的な「レーザー治療」と、外科的な「手術」があります。

① レーザーによる膣縮小

切開を伴わない、比較的マイルドな膣縮小治療です。ダウンタイムがほとんどないため、手軽に受けられるのが最大の魅力です。
  • 方法: 膣内に専用のハンドピースを挿入し、炭酸ガスレーザーや高周波(RF)などを照射します。レーザーの熱エネルギーによって膣粘膜の深層に微細な傷を作り、その創傷治癒過程でコラーゲンの産生を強力に促進させます。これにより、膣壁が厚く、ふっくらとし、膣全体が引き締まります。
  • 効果:
    • 膣内の引き締め、膣圧の向上
    • 膣の潤いの改善(乾燥の緩和)
    • 軽い尿漏れの改善
    • 湯漏れの改善
  • メリット:
    • 切開しないため、痛みや出血がほとんどない
    • 施術時間は20〜30分程度と短い。
    • ダウンタイムがほぼなく、施術当日からシャワーも可能(性交渉は数日間控える必要あり)。
  • デメリット:
    • 効果の実感には個人差があり、外科手術ほどの劇的な変化は期待できない。
    • 効果を持続させるためには、複数回の施術(通常3回を1クール)と、1〜2年に1度のメンテナンス照射が推奨される。
    • 骨盤底筋群の断裂など、構造的なゆるみが強い場合には適応とならない。

② 外科手術による膣縮小

ゆるみの原因となっている構造自体を修復する、根本的な治療法です。
  • 方法: 膣口から奥にかけて、余分な膣粘膜を菱形などに切除し、その下にある緩んだ骨盤底筋群を中央に引き寄せて縫合します。これにより、膣の入り口から奥まで、全体的に内径を狭めることができます。物理的に膣を狭くするため、非常に高い効果が期待できます。
  • 効果:
    • 確実かつ強力な膣の引き締め効果
    • 効果の持続性が高い(半永久的)
    • 重度のゆるみや、出産による筋肉の損傷にも対応可能
  • メリット:
    • 1回の施術で、明確な効果が得られる。
    • レーザーでは改善が難しい、構造的なゆるみを根本から解決できる。
  • デメリット:
    • 切開を伴うため、術後の痛みや腫れ、出血などのダウンタイムが2週間〜1ヶ月程度必要。
    • 手術であるため、感染や血腫などのリスクがゼロではない。
    • 施術後の性交渉は、1〜2ヶ月程度控える必要がある。
ゆるみの程度が軽度で、ダウンタイムを取れない方はレーザー治療から試してみるのが良いでしょう。一方、出産経験があり、明らかなゆるみを感じている方や、一度で確実な効果を求める方は、外科手術が適しています。どちらの治療法が自分に合っているか、専門医と十分に相談し、ライフスタイルや希望に合わせた選択をすることが重要です。

6. 婦人科形成の施術の流れ

デリケートゾーンの悩みを抱え、クリニックに相談しようと決意しても、「何をされるのか分からない」「どんな手順で進むのか不安」と感じる方は多いでしょう。ここでは、実際にクリニックに問い合わせてから、施術を終え、アフターケアに至るまでの一連の流れを、ステップバイステップで解説します。安心して施術に臨むために、全体像を把握しておきましょう。

Step 1: カウンセリング予約

まずは、電話やクリニックの公式ウェブサイトの予約フォームから、カウンセリングの予約を取ります。この際、「婦人科形成の相談」であることを伝えておくとスムーズです。多くのクリニックでは、女性スタッフが対応してくれるため、安心して問い合わせることができます。

Step 2: 医師によるカウンセリング・診察

予約した日時にクリニックへ来院します。最初に問診票を記入し、その後、専門の医師とのカウンセリングが行われます。
  • 悩みや希望のヒアリング: 医師が、あなたの悩み(痛み、見た目のコンプレックスなど)や、どのような状態になりたいかという希望を丁寧にヒアリングします。この時、恥ずかしがらずに、できるだけ具体的に伝えることが非常に重要です。
  • 診察: 必要に応じて、診察室で実際にデリケートゾーンの状態を診察します。多くの場合、女性看護師が同席してくれるため、プライバシーへの配慮は徹底されています。
  • 施術方法の提案と説明: 診察結果とあなたの希望を踏まえ、医師が最適な施術方法(例:小陰唇縮小術の術式、他の施術との組み合わせなど)を提案します。その際、施術の具体的な内容、期待できる効果、リスクや副作用、ダウンタイム、費用について、詳細な説明があります。

Step 3: 血液検査(必要な場合)

手術を安全に行うため、感染症の有無などを調べるための血液検査が必要となる場合があります。カウンセリング当日に採血するか、後日改めて行うかはクリニックによって異なります。

Step 4: 施術日の決定と契約

カウンセリングの内容に十分に納得できたら、施術日を決定し、手術の申し込み(契約)を行います。多くのクリニックでは、カウンセリング当日に契約を強要することはありません。一度持ち帰って冷静に検討する時間を持つことも大切です。費用のお支払いは、この契約のタイミングか、施術当日に行うのが一般的です。

Step 5: 施術当日

  • 来院・最終確認: 予約した日時に来院し、体調の確認や、手術内容の最終確認を行います。
  • デザイン: 手術室で、医師が患部にマーキングを行います。座った状態や立った状態など、様々な体位で最終的な仕上がりのデザインを丁寧に行います。
  • 麻酔: 多くの婦人科形成手術は局所麻酔で行われます。注射の際にチクッとした痛みがありますが、麻酔が効いてしまえば、手術中の痛みはほとんどありません。痛みが不安な方のために、笑気麻酔や静脈麻酔などのオプションを用意しているクリニックもあります。
  • 手術: 麻酔が十分に効いたことを確認してから、手術を開始します。手術時間は、施術内容によりますが、小陰唇縮小術単体であれば30分〜1時間程度です。
  • 術後の休憩: 手術終了後、回復室で30分〜1時間ほど休憩し、体調に問題がないことを確認してから帰宅となります。

Step 6: アフターケア・術後検診

  • 術後の過ごし方: 帰宅後、処方された抗生剤や痛み止めを医師の指示通りに服用します。術後の注意点を守って過ごします。
  • 術後検診: 通常、手術から1週間〜2週間後に、傷の状態を確認するための術後検診があります。抜糸が必要な場合は、この時に行います。その後も、1ヶ月後、3ヶ月後など、クリニックの指示に従って検診を受け、経過を医師に確認してもらうことが重要です。
疑問や不安があれば、どのステップにおいても遠慮なく医師やスタッフに質問することが、安心して満足のいく結果を得るための鍵となります。

7. ダウンタイムと術後の注意点

婦人科形成の手術を受けた後、美しい仕上がりと安全な回復のためには、ダウンタイム中の過ごし方が極めて重要になります。ダウンタイムとは、手術による腫れや痛み、内出血などが落ち着き、通常の生活に戻れるまでの期間のことです。ここでは、主な婦人科形成手術(小陰唇縮小術など)における一般的なダウンタイムの経過と、術後に守るべき注意点を具体的に解説します。

ダウンタイムの一般的な経過

ダウンタイムの長さや症状の程度には個人差がありますが、おおよその目安は以下の通りです。
  • 手術当日〜3日目(腫れと痛みのピーク):
    • 症状: 麻酔が切れると、ジンジンとした痛みや熱感が出てきます。腫れもこの時期が最も強くなります。処方された痛み止めを服用することで、日常生活に支障がない程度にコントロールできます。少量の出血が続くことがありますが、ナプキンで対応できる範囲であれば問題ありません。
    • 過ごし方: デスクワークなど、座ったままの仕事であれば翌日から可能な場合が多いですが、無理はせず、できるだけ安静に過ごすことが推奨されます。
  • 手術後4日目〜1週間:
    • 症状: 強い痛みは治まり、腫れも徐々に引いてきます。内出血が起きている場合は、紫色から黄色っぽく変化しながら吸収されていきます。
    • 過ごし方: 患部を清潔に保つことが重要です。日常生活は問題なく送れますが、激しい運動はまだ避ける必要があります。
  • 手術後2週間〜1ヶ月:
    • 症状: 腫れや内出血はほとんど目立たなくなります。傷口が治癒する過程で、痒みや軽い引きつれ感を感じることがあります。
    • 過ごし方: ほとんどの活動制限が解除されますが、最終的な判断は医師の診察を受けてからにしましょう。
  • 手術後3ヶ月〜6ヶ月(完成):
    • 症状: 傷跡の赤みや硬さもほとんどなくなり、組織が完全に馴染んで、自然な見た目と感覚に落ち着きます。この時期をもって「完成」とみなされます。

術後の重要な注意点

ダウンタイムを順調に乗り越えるために、以下の点を必ず守ってください。
  • 清潔を保つ:
    • 排尿・排便後は、ウォシュレットを使用するか、優しくシャワーで洗い流すなどして、患部を常に清潔に保ってください。ゴシゴシ擦るのは厳禁です。
  • 入浴・シャワー:
    • シャワーは、患部を濡らさないようにすれば当日から可能な場合もありますが、通常は翌日以降からとなります。
    • 湯船に浸かる入浴は、感染のリスクがあるため、最低でも1〜2週間は控えてください。
  • 運動・仕事:
    • ウォーキングなどの軽い運動は1週間後から、ランニングや筋トレなどの激しい運動や、自転車など患部に直接刺激が加わるものは、最低でも1ヶ月は控えてください。
  • 性交渉:
    • 傷口が完全に塞がり、組織が安定するまで、最低1ヶ月は性交渉を避ける必要があります。早すぎると傷口が開いたり、感染したりする原因となります。
  • 飲酒・喫煙:
    • アルコールは血行を促進し、腫れや出血を悪化させる可能性があるため、最低1週間は控えてください。
    • タバコは血管を収縮させ、血行を悪くすることで傷の治りを遅らせる原因となります。可能であれば、術前から禁煙することが理想です。
  • 下着:
    • 術後しばらくは、患部を締め付けない、ゆったりとした通気性の良い綿素材の下着を着用することをお勧めします。
これらの注意点は、あくまで一般的なものです。手術内容によって期間は異なりますので、必ず執刀した医師の指示に従ってください。万が一、我慢できないほどの強い痛みや大量の出血、高熱などの異常が見られた場合は、ためらわずにすぐにクリニックに連絡しましょう。

8. 婦人科形成の費用相場

婦人科形成を検討する上で、費用は非常に重要な要素です。婦人科形成は、一部の例外(性同一性障害の治療など)を除き、基本的には健康保険が適用されない自由診療となります。そのため、費用は全額自己負担となり、クリニックによって価格設定も大きく異なります。ここでは、代表的な施術の費用相場と、なぜ価格に差が出るのかについて解説します。

代表的な施術の費用相場

以下に示すのは、あくまで一般的な費用の目安です。実際の価格は、各クリニックのウェブサイトなどで必ず確認してください。
  • 小陰唇縮小術: 200,000円 ~ 400,000円
    • 片側のみの場合は、この約半額〜6割程度の価格設定になっていることが多いです。
  • 副皮除去術: 100,000円 ~ 200,000円
    • 小陰唇縮小術と同時に行う場合は、セット価格で割引になることがあります。
  • クリトリス包茎(陰核包皮除去術): 100,000円 ~ 250,000円
    • こちらも、小陰唇縮小術とのセット割引が適用されることが多いです。
  • 大陰唇へのヒアルロン酸注入: 100,000円 ~ 300,000円(注入量による)
  • 大陰唇への脂肪注入: 300,000円 ~ 600,000円(脂肪吸引・加工の手技料を含む)
  • 大陰唇たるみ取り(皮膚切除): 300,000円 ~ 500,000円
  • 膣縮小(レーザー): 1回 80,000円 ~ 150,000円
    • 多くの場合、3回セットなどのコース料金が設定されています。
  • 膣縮小(外科手術): 400,000円 ~ 800,000円
※上記の費用には、診察料、麻酔代、薬代、術後検診代などが含まれている場合と、別途必要になる場合があります。見積もりの際には、総額でいくらかかるのか、内訳を必ず確認しましょう。

なぜクリニックによって費用が違うのか?

同じ施術でも、クリニックによって費用に幅があるのには、いくつかの理由があります。
  • 医師の技術力と経験値: 経験豊富で、高い技術を持つ著名な医師が執刀する場合、その技術料として価格が高く設定される傾向にあります。特に、複雑なデザインや他院修正などを得意とする医師は、価格も高くなることが一般的です。
  • 手術方法と使用する材料: 例えば小陰唇縮小術でも、単純な切除と、Z形成などを組み合わせた複雑な術式とでは、手間が異なるため価格が変わります。また、使用する麻酔の種類(局所麻酔か、静脈麻酔か)、縫合糸の種類、注入するヒアルロン酸の製剤などによっても費用は変動します。
  • アフターフォロー体制: 術後の検診や、万が一のトラブルに対する保証制度が充実しているクリニックは、その分のコストが価格に反映されている場合があります。
  • クリニックの立地や広告費: 都心の一等地にクリニックを構えていたり、大規模な広告宣伝を行っていたりすると、その分の経費が施術費用に上乗せされることがあります。
注意すべきは、極端に安い価格を提示しているクリニックです。安さの裏には、経験の浅い医師が執刀する、必要な工程を省略している、アフターフォローが不十分である、といったリスクが隠れている可能性も否定できません。費用は重要な判断材料ですが、安さだけで選ぶのではなく、医師の技術力やクリニックの安全性、サポート体制などを総合的に評価し、納得できる価格のクリニックを選ぶことが、後悔しないための鉄則です。

9. クリニック・医師の選び方

婦人科形成は、身体の最もデリケートで重要な部分を扱う、極めて繊細な手術です。したがって、クリニックや医師選びは、他の美容医療以上に慎重に行わなければなりません。価格や知名度だけで選ぶのではなく、安全性と信頼性を最優先に、以下のポイントを総合的にチェックして、心から信頼できるパートナーを見つけましょう。

① 医師の専門性と経験

婦人科形成の成功は、医師の技量に大きく依存します。以下の点を必ず確認しましょう。
  • 症例数の多さと症例写真:
    • その医師が、あなたが希望する施術をどれだけ手掛けてきたかは、技術力を測る重要な指標です。
    • クリニックのウェブサイトで公開されている症例写真を確認しましょう。その際、単に「綺麗」というだけでなく、デザインのバリエーション、自然さ、傷跡の目立たなさなどを細かくチェックします。自分と似たような悩みを持つ人の症例があれば、非常に参考になります。

② カウンセリングの質

カウンセリングは、医師の技術力だけでなく、人柄や診療方針を見極める絶好の機会です。
  • 丁寧で分かりやすい説明: あなたの話を親身に聞き、専門用語を多用せず、分かりやすい言葉で施術内容を説明してくれるか。模型や図を使って、具体的に説明してくれる医師は信頼できます。
  • メリットだけでなく、リスクの説明も十分か: 良いことばかりを並べるのではなく、手術に伴うリスク、副作用、ダウンタイム、限界点について、正直に、そして具体的に説明してくれるかは、誠実さを見極める上で最も重要なポイントです。「100%安全」「絶対に綺麗になる」といった言葉を使う医師には注意が必要です。
  • 質問しやすい雰囲気か: どんな些細な質問や不安にも、嫌な顔一つせず、真摯に答えてくれるか。あなたの不安を解消しようと努めてくれる姿勢があるかを見ましょう。

③ クリニックの安全性と衛生管理

安心して手術を受けるためには、クリニックの体制も重要です。
  • 徹底した衛生管理: 手術室の清潔さ、医療器具の滅菌・消毒が徹底されているかは、感染症を防ぐ上で基本中の基本です。院内全体が清潔に保たれているかどうかもチェックしましょう。
  • 緊急時の対応体制: 万が一、手術中に容体が急変した場合に備え、救急対応の準備や、近隣の高度医療機関との連携が取れているか。麻酔科医が常駐しているかなども、安全性の高いクリニックを見分けるポイントです。
  • プライバシーへの配慮: カウンセリングルームや待合室が個室または半個室になっているか、スタッフの対応は丁寧で配慮があるかなど、患者のプライバシーを守る姿勢も重要です。
複数のクリニックでカウンセリングを受け、これらのポイントを比較検討すること(セカンドオピニオン)を強くお勧めします。時間と手間はかかりますが、このプロセスを惜しまないことが、あなたにとって最良の医師と出会い、後悔のない結果を得るための最も確実な方法です。

10. 一人で悩まず専門医に相談を

デリケートゾーンの悩みは、その名の通り非常に繊細で、親しい友人や家族にさえ打ち明けることが難しいものです。「こんなことで悩んでいるのは自分だけではないか」「恥ずかしいことだ」と感じ、長年にわたって一人で抱え込み、心を痛めている方は決して少なくありません。 しかし、本記事を通じてご理解いただけたように、あなたが抱えているその悩みは、決して特別なことでも、恥ずかしいことでもありません。 それは、痛みや不快感といった機能的な問題であったり、自信を損なわせる審美的な問題であったりする、解決を目指すべき一つの「症状」なのです。そして、現代の医療技術は、そうした悩みに応えるための安全で効果的な選択肢を提供しています。 婦人科形成は、単に見た目を美しくするだけの施術ではありません。長年のコンプレックスから解放されることで、自分に自信が持てるようになり、ファッションを自由に楽しんだり、パートナーとの関係をより深めたり、温泉やスポーツを心から楽しんだりできるようになります。それは、あなたの日常生活の質(QOL)を大きく向上させ、人生をより豊かで前向きなものに変える可能性を秘めているのです。 もちろん、手術を受けることへの不安や、費用、ダウンタイムなど、乗り越えるべきハードルはあります。しかし、その第一歩は、専門の医師に相談してみることから始まります。信頼できる医師は、あなたの悩みを真摯に受け止め、医学的な観点から、あなたにとって最善の解決策を一緒に探してくれます。カウンセリングを受けたからといって、必ず手術を受けなければならないわけではありません。まずは自分の状態を正しく知り、どのような選択肢があるのかを知るだけでも、心の負担は大きく軽減されるはずです。 もしあなたが今、暗いトンネルの中で一人で立ち尽くしているように感じているのなら、どうか勇気を出して、専門のクリニックの扉を叩いてみてください。その一歩が、あなたが本来の自分らしさと輝きを取り戻すための、新しい道の始まりとなるでしょう。あなたの悩みが解消され、心からの笑顔で毎日を過ごせる日が来ることを、切に願っています。  

美容医療は 「自己肯定感を高めるための選択肢のひとつ」 という信念の もと、一人ひとりの美しさと真摯に向き合う診療スタイルを貫いています。現在は、アジアの美容外科医との技術交流や教育にも力を入れ、国際的なネットワークづくりにも取り組んでいます。

  • <所属学会>

  • 日本美容外科学会JSAS

  • 日本美容外科学会JSASPS

  • 日本形成外科学会

  • 乳房オンコプラスティック

  • <資格>

  • 日本外科学会専門医

  • コンデンスリッチファット療法認定医

  • Total Definer by Alfredo Hoyos 認定医

  • VASER Lipo 認定医

  • RIBXCAR 認定医

【監修医師】

Casa de GRACIA GINZA / GRACIA Clinic 理事長 美容外科医・医学博士 樋口 隆男 Takao Higuchi

18年間にわたり呼吸器外科医として臨床に携わり、 オーストラリアの肺移植チームでの勤務経験も持つ。外科医としての豊富な経験を土台に、10年前に美容外科へ転向。現在は東京・銀座と福岡に美容クリニックを展開し、これまでに10,000例以上の脂肪吸引、4,000例を超える豊胸手術を手がけている。特にベイザー脂肪吸引、ハイブリッド豊胸、脂肪注入豊尻、肋骨リモデリング(RIBXCAR)、タミータック、乳房吊り上げなどのボディデザインを得意とし、自然で美しいシルエットづくりに国内外から定評がある。

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